33 料理人 ページ34
「皿、重そう…私もお手伝いしたいです」
「ん？いやっこれァおれの仕事さぁ！皿拭いてくれてありがとう！」
「そんな、やっぱり私も皿洗い手伝います、2人でやれば早いと思いませんか？」
「そんな悲しそうな顔しないでよ…おれレディのそういう顔すげー弱いんだよ」
あっそれは知ってます。
結局押し切られたサンジと私は並んで皿洗いを始めた。
「ローさん、どんな様子でしたか？」
「さっき？あー珍しく多めに酒飲んでたかな。今はもう寝てるかも」
「……悪いことしちゃったな」
「Aちゃん優しい子だァ〜♡素敵だよ♡」
「サンジさんはいつも楽しそうですね……」
「はは、確かに……？」
「そういえば、最初、島民が貴方に失礼を働いたと思います。ごめんなさい」
「Aちゃんが謝ることじゃないよ。それに海賊だから慣れてるし」
「私、私の髪色が嫌いでした」
「うん」
「でもサンジさんの髪は、キラキラで素敵だと思いました」
「えっ……もしかして…」
「はい？」
「もしかしてローをフッたのはおれを…？」
「違います」
「そんな〜照れなくても〜♡おれはいつでもウェルカムだよ♡」
「真面目に話してるのに……」
なんだか掴みどころのない人だ。
ゾロは意外と話しやすいと思ったけど、この人は意外とやりずらい！
「ローさん寝ちゃったかなぁ」
「気になる？後片付けはやるから行っておいでよ」
「仕事は途中で投げ出しちゃダメなんですよ！」
「いや、これおれの仕事だし……」
「ダメです！」
ガシガシとスポンジに込める力を強める。
するとその手をすっと掴まれた。
あかぎれしていて、節立った長い指だ。
「行っておいで」
そう言われると何も言えない。小さくお礼を言ってから私はダイニングを飛び出した。
なんか、なんかドキッとした気がする！！
「やべ、やりすぎた？あとでローにどやされんな〜これは……」
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作者名：ヤソップ | 作成日時：2021年2月13日 10時
