16 魔獣、剣豪 ページ17
サンジにココアを入れてもらって、マシュマロトッピングまでしてもらった。
しかし胃もたれする程の甘さにやられ、こうしてソファに突っ伏すことになっている。
チョッパーと同じレシピで頼んだ私が悪いのだ
サンジやローはちゃんと忠告してくれた。チョッパーと同じものは甘すぎるって。
でも調子に乗ってた。嬉しかったから。
「Aちゃん、レモン水でも飲む？多少マシになるかも」
「おねがいします……」
カウンターでホットワインを飲むローはアホだろ、とため息をついた。
「アホじゃありません！後悔も、してません！」
「本当にシラフか？黒足屋、あのホットココア、アルコール混じってたんじゃねえか？」
「馬鹿、どう混じるってんだよ」
あまりの胃もたれに思考もまとまらない。
チョッパーは美味しく飲み干して就寝してしまったし、水を飲んだら寝てしまおう…そう微睡みの中にいた時だった
「船、移動させたんじゃねェだろうな？！」
ゾロが大分遅めに帰ってきた。
「させてないに決まってんだろマリモ剣士、優しい優しいコックさんが夕飯食いっぱぐれたお前につまみ作ってやるからそこにお行儀よく座りやがれ」
サンジは皿洗いする手を止めてフライパンを手に取る。
「おつまみ……？」
「おいA…テメェ食い意地張りすぎじゃねェか？」
「いやっ違いますよローさん。私はくるべき明日に向かって栄養をですね」
「建前が薄いな…目が輝いてるぞ」
ローこそロボットに目を輝かせていたくせに、とはいえなかった。
「Aちゃんも食べるの？ちょっと待ってよ……」
マズイ、ヤツが来る、とよく分からないことを呟いてから、男部屋から船長が飛び出す。
「なんだ！ゾロ！お前だけズリいぞ！！おれも食べる！」
夕食で30人前くらい食べていたルフィがカウンターを飛び越えてサンジの元へ飛んでいく。
私と同類がいる。それがまさか船長だとは思っていなかったが。
「…クソ…こうなるんだからちゃんと時間通り帰れよクソマリモめ……」
船長と激突して赤くなったおでこを押さえてよろよろとサンジが起き上がる。
作らないという選択肢がないあたりこの船の船員らしい。
「A、なんか分かったことはあったか」
「あ、はい、色々と……」
ゾロの質問に答えようとすると中々言葉が出てこない。自分は利用されてるだけの飼われた道具でしたと
「ぶっ飛ばすことは決定した」
ルフィがにかりと笑った
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作者名：ヤソップ | 作成日時：2021年2月13日 10時
