金色の島【ONEPIECE】 (ページ12)

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11 女子会プラスガイコツページ12

音楽家はティーポットからカップへ紅茶を滑らせる。
私よりも淹れるのが上手いかもしれない。

自分が口に出来ればいいと思っていたから、極めることもなかった。

「ヨホ…トラ男さんてば、おモテになりますねえ」

「ローさん、やっぱりモテるんですね…」

「悲しそうな顔しないでよ…やっぱあんたトラ男くんのこと気になってんじゃないの」

「そ、そんなこと！」

やっぱり無理があるかもしれない。
私に向けられた石を涼しい顔で掴んだローは確かに思春期の女子なら即落ちるほどイケメンだろう。

しかし生憎私は思春期が訪れることを許してもらったことはない。

「わかりません…そもそもマトモに会話したのだって貴方達が初めてに近いですし…」

「…それはお辛かったでしょう。慰めにもなりませんが、何か一曲弾かせてください。リクエストはありませんか？」

「え？じゃ、じゃあえっと」

「それでは一曲、『人生山あり海あり』！！」

リクエスト聞かんかーい！！とナミの拳骨がまたもブルックにささる。やはり恐ろしい威力だ。

「んまったくも〜。気にしないでね、ブルックはいっつもこうなの！」

「あ、ははは……じゃ、じゃああの、海賊っぽい歌がいいです」

そう言うとブルックは待ってましたと言わんばかりにバイオリンを掲げる。
今度ばかりはナミも演奏を待っていた。

「それでは一緒に歌いましょう！『ビンクスの酒』を！」

in図書室

「なんだ、騒がしいな」

ページを捲る手を止めてローは顔を上げる。

「ふふ、貴方もよく知ってる曲ね。いつも賑やか」

「ビンクスの酒は海賊なら誰でも知ってる。だがAの声も混じってねェか？」

「彼女は海賊について、知ろうとしているのかもしれないわね」

それ、きっとあなたの為でもあるんじゃない？と言いたくなるのを堪え、ロビンはニコニコと笑う。

ローは怪訝な顔をしてしばらく歌に耳を傾けていた。