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7話 ページ9




『雨、全然やまない…。兄さんも帰ってこないし…大丈夫かな…』


朝からザーザーと降り続く雨にそうぽつりとこぼした


朝から用事があるからと、ずっと出かけている兄さん…

晩御飯までには帰ると言っていたのだが…何の連絡もつかないままいつの間にか、就寝時間さえも近づいていた


先程から連絡も全くつかない…しかも、The Dirty Dawgの全員とだ



…とてつもなく、嫌な予感がした



『(もしかして、皆さんに何かあったんじゃ…!)とりあえず、1回兄さんの事務所にっ…』


ガチャ…


『!』


心配でいても立ってもいられなくなり、事務所に行こうとしたその時、玄関の扉が開く音がした


『(良かった…ちゃんと帰ってきてくれたんだ)兄さん!おかえ、り……っ、え!?に、兄さん!?どうしたの…!?』


そこに居たのは…



ボロボロでびしょ濡れになった兄さんだった…



予想外のことに混乱しつつも急いでタオルを持って駆け寄ると、兄さんは驚いたように目を見開いた


乱数「A…まだ起きてたのか…」

『だって、連絡がつかないから心配で…。って、そんなことよりも早く手当てしないと…!ほら、早く上がって!』











乱数「ごめん…」

『!?え…?』


急いで部屋にあげようとしたが…突然、謝罪の言葉を口にした兄さんに足が止まる


『きゅ、急にどうしたの…?一体何が…』






乱数「The Dirty Dawgは、今日をもって解散した」




『…え…?』


一瞬兄さんの言葉の意味が理解出来なかった


あのThe Dirty Dawgが、解散…?


『ど、どうして…?』

乱数「俺と寂雷、一郎と左馬刻の関係が崩れたから」

『っ…』


そんな…あんなに仲が良かったのに…。こんな急に解散だなんて…絶対に、誰も望んでいた結果じゃないはず

だとしたら…


『!…もしかして、中央区の、企み?』

それ以外、考えられなかった


乱数「!…はは、Aはこういうことにはほんと鋭いな〜」


困ったように笑った兄さんに胸が痛む

そして、望んでもいないことをこちらの意思関係なく強いる中央区に怒りが込み上げてきた


『みんなの…関係を修復することはもうできないの?』

乱数「…無理だろうね。少なくとも俺と寂雷は…」


硬い表情で言う兄さんに、もうどうしようもないことなんだと分かり、涙が零れそうになるが、グッと我慢する


だって、今この場で泣きたいのは…他でもなく兄さんだから…




ギュッ

乱数「!A…?」

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作者名:ノア | 作成日時:2024年2月18日 15時

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