30：行き場のない(S side) ページ31
⋆*
S side
須貝『ん……』
目が覚めた。
真っ暗な部屋の中、手探りで自身のスマホを探す。
須貝『…あった、』
そしていつものように、ホームボタンを押す。
須貝『3時か…』
須貝『…は、3時！？』
ディスプレイには、��3:15�瓩箸いκ源�。
一瞬、状況が飲み込めなかった。
昨日、ここで飲み会をやったんだよな。
そこでいつも以上に飲んでしまったのは覚えてる。
川上と色々雑談したのも覚えてる。
あれ、俺そこからどうしたんだっけ。
家に帰った記憶は無い。
ってことは…俺はそのまま潰れてたってことか。
あー、やってしまった。
「ん……須貝さん？」
須貝『えっ…Aちゃん？』
「起きたんですか…？」
パチッというスイッチの音と共に、急に明るくなる室内。
そこには、寝間着姿のAちゃんが立っていた。
須貝『何でいるの！？』
「何でいるのって聞かれても…。須貝さんだけ起きないし、私しか泊まれる人いなかったし…」
須貝『マジか…本当にごめん。』
「そんな、私は大丈夫ですから。」
ふわぁあ、と欠伸をする彼女を見ると、さらに申し訳ない気持ちでいっぱいになってくる。
「須貝さん、喉乾いてたりしないですか？」
須貝『…ちょっと乾いたかも。』
「じゃあよかったら、私が何か温かい飲み物作っておくので、その間にシャワー浴びてきてください。ベタベタするでしょ？」
須貝『確かに…じゃあ行ってくる。』
「はい、行ってらっしゃい。」
彼女の何気ない気遣い。
それは俺の心を容赦なく締め付けてくる。
⋆*
須貝『上がったよ。』
「あ、おかえりなさい。さっぱりしました？」
須貝『うん。あ、それって…』
「ホットミルクです。二日酔いにいいかなと思って。」
須貝『ありがとう。じゃ、いただきます。』
「どうぞ〜。」
須貝『……うまっ、』
「はちみつを入れたんです。ほら、覚えてませんか？私が熱で倒れて、ここに運ばれたとき。」
須貝『うん、もちろん覚えてるよ。』
「須貝さんがずっと私に付き添ってくれて、これを作ってくれて。…だからこれは、その時のお礼です。」
須貝『…Aちゃん。』
「はい？」
須貝『ありがとう。』
「ふふ、はい。」
今すぐにでもこの笑顔を抱きしめたい。
けど、恋人じゃあるまいし。
むしろ俺の片想いだし…。
まだ酔いの残る俺の脳内は、行き場のない思いでいっぱいになっていた。
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名無し79835号(プロフ) - あのすいません 続きを作ってくれませんか もっともっと長く わがままですいません (2019年7月11日 17時) (
レス) id: d86651a51e (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 湊さん» コメントありがとうございます！ずっと読んでくださっているのですね…！ありがとうございます！湊さんのようなコメントが物凄く励みになります(；；)これからも頑張ります！ (2019年2月24日 2時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - コメント失礼致します。sgiさんが大好きで、ずっと拝見しておりました!お話の展開にドキドキしてます!これからも、更新頑張ってください!陰ながら応援しております! (2019年2月23日 0時) (レス) id: 9d74a15048 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 晴さん» コメントありがとうございます！キュンキュンしていただけて、こちらとしては本望です！(笑)言葉遣いには結構気をつけているので、そう言って頂けて嬉しいです。これからもこのお話にお付き合い下さい！ (2019年2月17日 11時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - コメント失礼します！須貝さん大好きなのでいつも見ていてキュンキュンします！笑 言葉遣いが本人っぽくてリアルで好きです！更新楽しみにしています( ´ ▽ ` )ﾉ (2019年2月17日 8時) (レス) id: 6436915ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澪 | 作成日時：2019年1月27日 0時
