96lineのひつじ【SEVENTEEN】 (ページ14)

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鬼プロデューサーとフォルちゃん【WZ】ページ14

(WZside)

パタパタと俺の作業室に近づいてくる足音が聞こえた。

誰だ？ソクミナ？いや、ジョンハニヒョンかも、

『ジフナ〜、私だけど開けて〜、今手が塞がってんの』

違った。予想してた人物とは違い意外な来客。

WZ「いいよ。ほら」

ドアを開けると両手にマグカップと手提げ袋
を持ったAがいた。

『おじゃましまーす。ジフナ、コーヒ飲まない？』

そう言ってデスクの上にコーヒーと手提げ袋を置く。

WZ「何？それ」

『ドーナツだよ。食べるでしょ？』

WZ「ん、ありがと」

俺の隣にちょんと座って無言でにこにこしてる。

WZ「なんだよ。お前がここに来るの珍しいじゃん」

『何？お望みなら毎日でも来てあげるけど？』

WZ「いや、遠慮しとくわ」

『わーん、フラれた』

WZ「笑笑笑」

『さっきスングァニが教えてくれたんだよ。
"ウジヒョンがずっと作業室に篭もりっぱなしだ〜"
って言ってたから心配で来たの』

眉を下げてちょっと困ったように笑う。

WZ「ありがとな」

『んーん。気にしないで。あとありがとうは
スングァニにも言ってね？』

WZ「ん」

『ジフナ、作りかけの聞かせてよ』

WZ「いいよ、はい」

ヘッドホンを渡すと真剣な顔で音に集中する。

『わ〜。いいじゃん。ジフニはどこが気に入らないの？
私は好きだけどな、これ』

WZ「なんかしっくり来ないんだよ」

『ふぅん。作曲できない私にはわかんないけど、
ジフナが作る曲はどれも素敵なのはわかるよ』

Aは周りの人間のことをよく見てる。

誰かが立ち止まったり躓きそうになると
まっさきに声をかけて寄り添う、そんなヤツだ。

最初は自分がプロデューサーを任されたグループ
に女が入るなんて嫌だと思った。

ただ顔が綺麗でスタイルがいいだけの女だろ、
女優やモデル、歌手でもやって行けるだろうになんで
SEVENTEENなんだと納得がいかなくて気に食わない
存在だった。

けど蓋を開けるとどのチームでもやって行けそうな程
歌もダンスもラップも上手くて、

誰よりも愛情深くてSEVENTEENのファン

そんなAだから自分も含め皆大事にするんだろうな
とつくづく思う。

WZ「ありがと」

「急だねぇ、私なんもしてないよ？笑」

WZ「お前のお陰でいいのが出来そうなんだ」

『そう。じゃあ私はここでお暇するよ、
日を跨ぐ前に寝なよ？おやすみ』

そう言って部屋を出ていった。

今回はAみたいな曲を作ってみよう