【募集企画】銀の呪い【募集中】

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自分を庇った事で、自分の目の前で、ただ1人の友人を殺された。

それは人間を絶望の淵に突落し、憎しみと後悔に怒り狂わせるのには十分過ぎる出来事であった。


否。最早“それ”は、人間ではなくなった。
友人の魔術に不死身の身体を手に入れ、絶望に最強の力を引き出したそれは、正真正銘のバケモノとなったのだ。



目の前の敵を残滅しても治らぬ人間への憎悪は、虚空から幾人ものモンスターを生み出した。
それを見たバケモノは悟った。
ここに居てはいけないと。

バケモノは友人の亡骸を抱え、遥か遠く、人のいない森の奥底へとその身を隠した。
自分から生まれてしまった哀れなモンスターには、人間に近付いてはいけないと教え込み、人間との距離を取る事にした。

バケモノは今度こそ、孤独の道を選んだのだ。
友人に贈られた純銀のアクセサリーを胸に光らせて。







そして時は流れ、新たな生命が誕生した。
幼い子供には、これまでに歩んで来た短い人生とは別に、もう1人の誰かの記憶があった。

青年と呼ばれる歳に成長し、その記憶を正しく理解する頃には、前世での過ちを察していた。
子供は魔王の友人の生まれ変わりだったのだ。


それが友人を救う為であり、どのような結果を残すのか知らなかったとは言え、自分の犯した罪に変わりはない。

自分のかけた呪いは友人をバケモノへと変え、人々の脅威となった。
そしてそれは友人を再び孤独にし、友人を苦しめている。


青年は悔やんだ。
悔やんで悔やんで、考えた。
自分がすべき事は何なのか。

人々の脅威を取り払う事。


友人を、救う事だ。


青年は魔王を救う為、呪いを解く方法を探す旅に出た。

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