【MASHLE】耳が弱いので呼び捨てするのやめてください【男主】

耳が弱い人と誇れる存在 ページ19

ワースside


オレには兄が2人いる



1人は神覚者であるオーター・マドル



もう1人はこのイーストン魔法学校首席



神覚者に1番近い存在であろう



A・マドルだ



2人とも価値のある人間＿＿＿＿＿＿



オレなんて2人にとってはちっぽけな存在だろう



現にオレはまだ親父にも認められず罵倒される日々



この間だって兄ちゃんと目は合ったけどそのまま素通りされたし

(Aは微笑んだつもりだが表情筋無能なため効果なし)



やっぱりこんな自分に呆れてしまったのだろうか。



でも兄ちゃんは小さい頃そんなオレに言ってくれた


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『ワース貴方は心優しい子です。たくさん笑ってたくさん悲しむこともあるでしょう…でもこれだけは忘れないで』

『貴方は僕達の大切な誇りある弟だということを＿＿』


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兄ちゃんは落ち込んだオレを何回も励ましてくれた



その度見せる不器用な笑顔に何度も救われた



だからオレは兄のような人になるために沢山努力した



たくさん勉強して学年1位の座まで上り詰めた



魔法だって血が滲むような努力をした



七魔牙に選ばれたときは自分の価値が認められたような気がした。



もっともっと頑張らなきゃって



アイツ(オーター)にも兄ちゃんにも追いつけるようにもっと勉強してもっと強くなってもっと認められてもっと頑張って





価値のある人間に





そこからは単純だった



価値を追い求め遠くの兄の存在をどこまでも追いかけた



自分を追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んで追い込んだ結果







限界が来た。






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サ「ｼｬｱｱ」



目の前にいるサソリは額の石から考えて相当な強さだろう



しかし何回呪文を唱えてもなせだか魔法が発動しない



いつまでも無理を続けた代償が今となって来ているのだろうか



ワ「ははっ。オレの人生だっせえなァ」



こんなんなら兄ちゃん達ともっと話しとけば良かったな…



サソリは1歩1歩着実に近づいてくる



もうダメだろう。こんな森じゃ助けなんて来ない



ワ「こんなオレでも兄ちゃん達が誇れる弟だったか…？」



どうせ最後なら。とワースは人生での最大の問いを打ち明けてみる



無言の返答に安心したワースはゆっくりと目を閉じる














すると＿＿＿＿＿＿＿



















『僕は胸を張って何度でも言えますよ』











『誇れる弟の兄になれて良かったと』










どこか懐かしい声が聞こえた。

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