闇に咲く花【MASHLE】

立派な兄 ページ15

ランスside



『そなたは優しい…ただ不器用なだけ、、この学校で1位の座に居続けることも相当なプレッシャーがあるはずじゃ…』






彼女はそう淡々と言ってのけた







ﾗﾝｽ「…」






そうだ…







編入試験のときだって手は震え続けたし、クラウン家として
の期待もあった…アンナを救うことが出来るのはオレだけで友達も恋愛も遊びだってなにもかも必要ないと避けてきた









((でも私はお兄ちゃんのそういう不器用で優しいところ大好きだよ))








︎︎





頼れる人も居なくて





︎︎





自分でどうにかするしかなくて











悩んでいる間だって妹は苦しんでいて











出来るならオレが変わってやりたかった











苦しみだって悲しみだって寂しさだって











オレに全部押し付けて欲しかった











あんな姿見たくなかったのに…









ﾗﾝｽ「(この人ならオレを正しい道へと導いてくれるのだろうか…)」








そう思い顔を上げると紅色の瞳がオレを捉える


︎︎



︎︎











︎︎
︎︎



『私(わっち)に言えるのは一般論だけじゃ…。』











『お主のような子供は悲しかったときにたくさん泣くものじゃよ…』











『責任なんて私(わっち)のような大人に押し付けてしまえばいい。お主のような子供にはまだ早いものよ…』













優しく頭を撫でられた瞬間視界がぼやけた









スイッチを切り替えられたみたいに








何も見えなくなった









聞き取れるのは自分の嗚咽と









自分の頬になにかが流れ続けているということだけ








あの人はオレをそっと抱きしめながら背中を撫で続け









立派な兄だとよく頑張ったと寄り添い続けてくれた

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