ヒロアカ【シュレディンガーの猫】1 (ページ14)

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１２day ページ14

爆豪｢へえ。こんな、“個性”あんだな｣

帰りはもちろん。私の“個性”で帰る。

貴｢はい｣

爆豪｢あ？｣

貴｢手、掴んでもらってもいい？私にしか見えないし、私が触れて離すと消えるの｣

爆豪｢…ふーん｣

ゴツゴツと大きな手が私の手を掴む。本当なら、男子と女子、逆なのにね。

爆豪｢空中散歩とか思ってそうだよなお前｣

貴｢空中浮遊とは思ってたかな。そんな表現は出てこなかった…貴方、意外とセンスあるのね｣

爆豪｢黙れ｣

地面について寮に帰る。もう廊下は薄暗い。私たちは別方向だ。

貴｢さようなら。爆豪勝己くん｣

爆豪｢なんで名前知ってんだよ｣

貴｢去年、体育祭一位だったでしょ？知らないわけないじゃない｣

爆豪｢俺はテメェのことは知らねぇ｣

貴｢知らなくて当然でしょ｣

爆豪｢教えろよ。テメェの名前。不公平だ｣

貴｢灰白A｣

爆豪｢Aか…｣

貴｢おやすみ｣

爆豪｢あぁ。おやすみ｣