黒執事【その悪魔、再び】��

第68話 ページ29

赤司｢A…！｣

貴｢…｣

ぱちぱちと、アタシの身体に入っているシエルは目を瞬かせる。

貴｢え、あ、えっと…？｣

光景に目を見張る。なんだなんだとシエルの頭の中は混乱していた。

桃井｢Aちゃん、すごーい！｣

ムギュっと抱き締められシエルは離せ！と暴れる。

貴(なんだ今のは)

倒れた緑間を起こしぺちぺちと頬を叩く高尾。

貴(身体が勝手に、動いた…？)

先刻。

ｾﾊﾞｽ｢おや｣

貴｢どうした｣

これからどうするか話し合っている最中。

ｾﾊﾞｽ｢いえ。緑間様の大きな声が聞こえたと思いまして…！｣

空気の変わったセバスチャンを見てシエルは気を張りながらもう一度尋ねる。

ｾﾊﾞｽ｢この気配…昼間のと同じ｣

貴｢なんだと…！？｣

そして走り出した。

ｾﾊﾞｽ｢坊ちゃん！！………坊ちゃんじゃ、ない？｣

目の前を走り去ったその人物は。

ｾﾊﾞｽ｢A、お嬢様…？｣

そして扉を蹴破り旋風脚で緑間の尻に蹴りを入れる。

刹那だけ。

ｼｴﾙ(お前、戻ってきたのか…！！)

貴(…)

ｼｴﾙ(おい！どこへ行く！)

貴(行かなければならない場所へさ)

ｼｴﾙ(お前の帰るべきところはここだろ！)

貴(違う。今、今その身体に還ったら…………)

アタシはとぷん。と、闇へ潜る。

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