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16話 ページ17

こ「…ん……大神……ん………大神さん!」






「…ぇ…」







大きな声で呼ばれて何とか意識を現実に呼び戻す。






前を見るとクリっとした丸い目が、真っ直ぐ私を捉えていた。








こ「どうした?…大丈夫??」








「あぁ…うん、大丈夫」







私はグラグラする頭を抑えて頷く。









ころんくんは心配そうに顔を傾けると、また手を引いてゆっくり歩き出した。








…なんだったんだろう…今の








頭の中が真っ白な光で包まれた。









その中に…何か…見えた気がする








あれはなんなんだろう…









ほら…









また…









雨の音









金網のぶつかる音









私の前を歩くあの人は誰なんだろう…









遠くから聞こえる叫び声









少しずつ私を支配していく









そんな私は、道に落ちている小さな石ころに躓いてハッとする。









まだ暗闇を歩いている最中で









私の手を引いて目の前を歩くころんくんと、頭の中の何かが重なって見える。









あれは…









私の記憶なんだろうか…









必死に思い出そうとするけどズキズキと頭が悲鳴をあげる。










別に、記憶がなくても日記があればそこまで困らないと思った。









毎日が初めてだらけで新鮮だなくらいに思った。









でも









昨日の私も、明日の私も



今の私の中には存在すらしていない。









今さら落としたものの重大さに気がついた。









手を引かれるがまま歩いていると、いつの間にか目的地に着いていたようで



ころんくんが足を止めた。








こ「ここだよ、どーぞ」



そう言ってガチャっとドアを開けて家の中に入るよう促す。








「あの、本当にいいんですか…?」




こ「そーゆーのダルいからマジで。僕がいいって言ってんだからいいの!」







そう言って私の背中を押して玄関に入れる。









白を基調としたキレイな家だった。









こ「入って〜」







ころんくんのその言葉が合図のように奥の部屋から人が出てきたのは言うまでもない。

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うい(プロフ) - 凄く「今夜、世界からこの恋が消えても」と似てて小説の発売日と照らし合わせたら主さんの方が先にネタ思いついてて腰抜かしました…めちゃくちゃ面白いです😸💞 (2023年2月21日 2時) (レス) id: ed6dd285e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - ころんくんが家に泊めるときになーくんに電話してたときの泊めるの字が止めるになってましたよ 上から目線でごめんなさいm(_ _)m (2022年5月17日 6時) (レス) @page29 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - そうです! 一度検索しみて下さい。 (2019年5月5日 11時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)
あうら(プロフ) - 白玉さん» テレビか本とかですかね…? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 5af2deacde (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - これ読んだ瞬間「掟上今日子の備忘録」っていうの思いだした (2019年5月4日 20時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あうら | 作成日時:2018年10月14日 23時

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