検索窓
今日:10 hit、昨日:27 hit、合計:460,512 hit

31話 ページ32

昼休み終了のチャイムが鳴る。

その音を聞いた3人は手にしていたボールやバケツを乱暴に地面に投げつけると教室へと戻って行った。




「…いった…」





身体はボールがぶつかって傷だらけ。




水だってたくさんかけられて現在進行形で体温が奪われていく。



完全に足の力が抜けて立つことが出来ない。





体がガタガタと震え始めた。








…授業サボっちゃおうかな







制服もビショビショだしどっちにしろ教室には戻れない。






スカートが足に張り付いて気持ち悪い。







涙が出るのをグッと堪える。






私はなんとか立ち上がると、周りに転がっているボールをカゴの中に戻す。







ころんくんはすごいな…







これだけ人気があって、いい友達もたくさんいて、記憶だって無くならないし






…いいな








そんな事考えても今の現状が何か変わるわけじゃない。



そんなこと分かってる。







…でも






そう考えずにはいられない。






ころんくんのことを考えると少し暖かくなるんだ。






体温が上がってるのかって聞かれたらそうじゃないけど








心の奥がじんわりと暖かくなる。








それだけで幸せなんだから




本当に困ったものだ。







「…へっくしゅ」






…風邪ひいたかな








早くボールを片付けないと。




心做しか足もフラフラする。







私がボール拾いを再開した時、誰かが草を踏む音が聞こえた。







こ「大神さん?」





そこにはころんくんが呆然とした顔で立っていた。






こ「え、何して…ビショビショじゃん…!」






驚くころんくんに私は微笑みかける。






「ころんくん…授業中だよ…?」





こ「大神さん戻ってこなくて、嫌な予感したから抜けてきた。ほんと何してんの」





そう言って私が拾っていたボールを私の手から奪う。






こ「…僕がやるからちょっと待って。保健室行こ」









ころんくんの顔が目の前にある。









胸の中がくすぐったい。







また、助けて貰っちゃった








私はころんくんが急いでボールを拾い集める姿を見て









少し雲がかった空を見上げた。

32話→←30話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
582人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , ころん
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うい(プロフ) - 凄く「今夜、世界からこの恋が消えても」と似てて小説の発売日と照らし合わせたら主さんの方が先にネタ思いついてて腰抜かしました…めちゃくちゃ面白いです😸💞 (2023年2月21日 2時) (レス) id: ed6dd285e5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - ころんくんが家に泊めるときになーくんに電話してたときの泊めるの字が止めるになってましたよ 上から目線でごめんなさいm(_ _)m (2022年5月17日 6時) (レス) @page29 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - そうです! 一度検索しみて下さい。 (2019年5月5日 11時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)
あうら(プロフ) - 白玉さん» テレビか本とかですかね…? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 5af2deacde (このIDを非表示/違反報告)
白玉 - これ読んだ瞬間「掟上今日子の備忘録」っていうの思いだした (2019年5月4日 20時) (レス) id: 0b503add46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あうら | 作成日時:2018年10月14日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。