ひかりふる【鬼舞辻無惨】 (ページ43)

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未知の世界ページ43

(無惨ｻｲﾄﾞ)

この時間軸での名を、

『五辻源』

と名乗る事にした私は、今まさに地獄絵図とも言えよう図に心底呆れている所だ。

『源くん!!わかんない事あったらなんでも聞いてー!!』

「ありがとう。(馴れ馴れしく名前で呼ぶな醜女…)」

『五辻、連絡先交換しようぜ！』

「ごめん、節約で携帯持ってないんだ(会って三秒でどういう常識の持ち主だ?)」

『て事は一人暮らし!?今度皆で遊び行こうぜ!!』

「あはは、時間がある時ね(会って五秒で他人のプライバシーに侵入しようとする馬鹿が何処にいると言うのだ?)」

『ねー源くんのタイプってどーゆー子？あたしでもワンチャンないー?』

『バッカ梨乃、五辻は120%彼女持ちだぞ!!』

……………平成と言う時代の人間共は、よりによって何故こうも馬鹿ばかりなのか!?

蝿のようにたかってくる雄と雌に虫唾が走る。

どいつもこいつも私の外見ばかりを馬鹿の一つ覚えのように褒め立てて来よる。

女は私への必死過ぎる下心が見え透けて気持ちが悪いときたらキリがない上、
男は下らん悪ふざけの遊び仲間にしつこく勧誘して来る。
どちらも心底下らん。

「(Aはこんな小汚い豚小屋のような場所に毎日通っていたと言うのか………?)」

Aがどうしているのか気になった私は、
無意味だが彼女の教室がある下の階の方に視線を向けてみる。

ーーー

教室。

〝わたしは〟半年ぶりの教室なのに、
皆は昨日までと同じ、いつも通りの空間。

『おはよA！』

「!!凜音、おはよ」

いつも通りに挨拶してくれる友達。

『どしたの、なんか…ぼーっとしてたよ？』

「あ…なんでもない、ちょっと…眠くて…」

表情に出ていた事を後悔するよりも、目を擦って眠たげなふりをする。

『あね!私も眠過ぎて………ふわあーー』

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ………

凜音が欠伸をしたなら、始業のチャイムが教室に鳴り響く。

バツが悪そうにあちゃー、という表情をした凜音は『また後でね』と軽く手を振る。

わたしも同じような表情で手を振り返した。