ひかりふる【鬼舞辻無惨】 (ページ29)

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時の彼ページ29

「(〝鬼殺隊〟…………!!!!)」

鬼……特に無惨さんにとっての、大敵。

確かにそんな空気はしていた、けど…!!

「(いや、でも変に動いたら駄目…
とりあえず産屋敷さんについて行ってみよう)」

わたしは思考を読み取られないよう、変わらない表情を貫く。

産「では、A。
ついてきてくれるかな?」

「はい…!」

わたしは炭治郎さんと禰豆子さんに別れを告げると、

産屋敷さんと共に、その場を後にした。

ーーー

産屋敷さんに連れてこられたのは、この大きな屋敷の中の一部であろう、かなり小ぶりな屋敷。

彼は引き戸を二回コンコン、とすると

産「私だ、いるかい?」

と、中にいるであろう住人に声を掛けた。

少し間を置いて、中から

『!……た、只今』

と、優しそうな男性の声が聞こえてくる。

「(どんな人なんだろう…
そもそも、なんでわたしと…?)」

わたしは両手の指を前で組ませ、緊張しながら待っている。

ーーー間もなく、引き戸が静かに

………とんでもなく遅い速度で開いた。

隙間から、透き通るような青い目が見える。

？「御館様……、と…?」

産「急に来てしまって済まないね

〝生和〟、この子は…

どうやら、未来からやって来たそうなんだ」

？「…!!」

わたしが未来からやって来た、と聞いた彼の瞳は

心做しか輝いて見えた。

生「初めまして。
僕は〝鬼殺隊時柱〟門叶生和。

きみが未来から来たって、本当…?
是非、お話を…聞かせて欲しいな」

儚さの化身のような彼は、
消え入りそうな微笑みでそう言った。