幕開きし ページ3
ふと、目が覚めた。
視界には、ぼんやりと一面の夜空が映し出されている。
どうやらここは夢の中のようだ。
(だってさっきまで部屋のベッドで寝てたし)
そんな事をふわふわと考えつつ、また瞼を閉じる。
ーーーあれ？
おかしいな。
夢にしては感覚がはっきりしてる。
目を擦ると間違いなく一面に夜空が続いているし、
空気はすごく……寒い!?
「さ、寒っ!?」
驚いて寝返りを打てば……
ゴツゴツした何かが当たって…これは…地面?
…痛い!?
「い、痛っ!?」
おかしい。
夢にしては五感がはっきりと機能しすぎている!
それも…現実と全く相違なく機能している。
じゃあこれは…
(夢じゃ、ない…!?)
(どういう事…？)
家に誰かが侵入してきて、
私を連れ去って、
そしてここに置き去りにした……
など考えてみたものの、鍵は閉めたはずだからそれは有り得ない。
ならどうしてわたしは見知らぬ外で寝ているのだろうか。
とりあえず、ここがどこなのか知りたい。
誰かを見つけて聞いてみなきゃ……
………などと考えていた矢先。
コツ、コツ、
と、足音が聞こえる。
前から。
顔を上げると、�爐修讚瓩了僂鯊�えることが出来た。
大きな体に袴を身に纏い、虹色がかった瞳、白橡色の長い外に跳ねた髪が印象的な男の姿。
今どき見るには珍しすぎる容姿に、わたしは驚愕してしまった。
？「こんばんは！
わあ、とても細い女の子だね！」
わたしが話しかけようと思った矢先には既にその男の人から声をかけられていた。
とても、朗らかに。
「え、あ、こんばんは…」
反射的にお辞儀をする。
そうだ、ここがどこなのか聞いてみよう。
「あの、すみません
ここってどこですか…？」
？「ああ ここは東京�猊椨瓩痢次次次�
待って。
東京……�猊椨瓠�
�狹圻瓩犬磴覆�て？
…そういえばいつか、歴史の授業で聞いたことがある。
確か、昔は東京都の呼ばれ方は東京府だった…
背中を寒気がなぞる。
？「…あれ、聞いてるかい？」
「！すみません」
いけない、ぼーっとしていたようだ。
…けど、勇気を出して聞いてみよう。
「…あの、今って……
2019年、ですよね?」
それを聞いた男の人は、たいそう不思議そうな顔をしてから…
？「…？
あはは！何を言っているんだい
今は1915年だろう？」
愉快そうに扇を仰ぎ、笑いながらそう答えた。
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作者名：スイ | 作成日時：2020年1月25日 22時
