押して押して押しまくれ【岩泉ー】

１５.わたしside ページ15

教室に行くと、お昼休みはとっくに終わっていて次の時間の準備をしていた

そっか次移動か


なな「ああ！Aおそいよー！」

『あ、ご、ごめん…』


ななはわたしの教科書をもってくれていて、はい！と渡された


『ありがと、なな』

なな「全然いいよー、それよりなんか元気なくない？」


ドキッ

心配そうに顔を覗かれて、わたしは慌てて答えた


『そそそんなことあるわけないじゃーん！ほら早くいこ！』

なな「そっか、そうだよね〜」


笑って答えるなな

ふぅ、危ない危ない

きららちゃん達のことを言ったら絶対ななは騒ぐ

そしたら徹と岩ちゃんの耳にも入って、心配するに決まってる

絶対みんなには迷惑かけない！

そう心に誓った


廊下を歩いているときだった

体操服を着た人がたくさん通る

あれ、この人達って5組？

てことは岩ちゃんもいる！！！


『ななっ！岩ちゃんいるかも！』

なな「え？あ、5組体育？」


わたしたちは廊下の隅で立ち止まり、岩ちゃんを探した


どこだどこだ


一生懸命探していると、教室から1人でてきた岩ちゃんを見つけた

わたしと岩ちゃんの間は少し距離があるけど、わたしは分かった

うわあああああ！体操服姿もイケメン！


『岩ちゃ…』

きらら「はじめくーーん！」


話しかけようとしたそのとき、岩ちゃんの近くにいたきららちゃん達に遮られた

きららちゃん達は走って岩ちゃんのところへ行く


話している

会話は聞こえないけど、岩ちゃんの前にきららちゃんが立っていて岩ちゃんの口が動いている




ドクンッッ



あれ

なんかすごく嫌だ


なな「…A？」


そんな気持ちになりながらその光景を見ていると、ななに名前を呼ばれた


『…ん？どうしたっ？』


笑って答えた


なな「なに、笑ってんの…？あれわたし達と一緒のクラスのきららちゃ…」

『よし！じゃあカッコイイ岩ちゃんを見れたことだし！さっさと実験室行きますか！』


くるりと後ろをふりかえり、早歩きで実験室へ向かった

ななは後ろでなにか言っているけど気にしない


さっきの嫌な気持ちの正体、わたしは知ってる

それは嫉妬。

話すぐらいいいじゃんか

なにやってんのわたし






でも、でもね



岩ちゃん、笑ってたんだよ……




泣きそうになったのを堪えながら歩いた









及川「……」

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