彼氏7 ページ7
クリスマスが過ぎた途端、年末モードに入る世間。毎日がせわしない。
北斗とはクリスマス以降会えていないけど、連絡は取り合っている。以前の友達関係だった時のように、内容はしょうもないことだ。
このアーティストの新曲いいよ、とか今日はメンバーがこんなことしてるの目撃して笑ったとか特に深い内容のものではない。
でも以前と１つ違うことがある。それは、メッセージの最後に「すきだよ」とか「会いたいね」ってお互い付けるようになったこと。
意外と北斗はちゃんと言葉をくれる人で、離れていても愛されているのを実感するくらいには熱量のこもったメッセージをくれる。
12月28日。仕事納めの日だった。
仕事を終えてスマホを確認すると北斗から着信が入っていた。こちらからかけ直すと3コール目くらいですぐに声がした。
「A？久しぶり。メッセージでやりとしてたけどさ、電話すんの久しぶりだよね？」
「言われてみたらたしかにそうかも。今日は休みだったの？」
「ん、まあ休みっていうか今休憩時間。Aの声聞きたいなーって思って。」
北斗の甘いセリフに顔が赤くなる。
え、とか あ、とか戸惑いの言葉すら喉に突っかかって出ない。
「ああ、そうだ、それでさ、お正月なんだけどどうする？どっちかの家で過ごす？」
北斗は電話越しに照れている私に気付かないままさらりと会話を続けちゃうのがなんか悔しい。
「えっと…そうだね、お正月出掛けてもどこも人多いし、のんびり過ごそうよ。ちなみにうち、こたつ出したよ」
「え、最高じゃん。じゃあオレがAの家いくよ。」
「本当に！？楽しみ。」
ふふ、と笑みが溢れるのを抑えきれない。
北斗も電話越しに楽しみにしてる感じが伝わってくる。
今後の予定を聞くと北斗はこのまま31日まで仕事して、1日からは休みに入るらしい。特に1日からは生放送のオファーもないとのことで、お正月はゆっくり過ごせると言われた。
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作者名：あん | 作成日時：2023年10月19日 2時
