陰キャヒーローな君と。２ (ページ39)

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嫉妬8 ページ39

一瞬何を言われたのかわからなかった。嫉妬？北斗が？いつ？どこで？どの瞬間？

「なんで…？」

「前にね、SixTONESのYouTube撮影のロケで歩いてる時にさ、たまたま見かけたのよAのこと。

声掛けようかと思ったけど、オレのこと気づいてなかったぽいし…それに男の人といたから。」

「いつのこと…？私男友達すらいないんだけど…」

連絡先の男性は、父親と会社の上司くらいで、全く心当たりがない。

「ついこの前、Aの会社の近くで。んー、たしか昼過ぎだったかな。」

「昼過ぎ…？……あ、たまたま同期と会った日のこと？」

すっかり忘れていたけど、違う部署で働く同期が用があってうちの部署に来たから、せっかくだしお昼ご飯一緒に食べに行こうか、ってなったんだった。まさか見られていたなんて思いもしなかった。

「あの子とはそういうのじゃないよ。本当になんにもない。」

「うん。でもさ、多分その彼、年下でしょ？オレと話す時と雰囲気違ってて、しかもなんか笑い方も違ったからさ…ね。」

「え、よく分かったね。その子２つ年下なの。同期だけどなんか可愛く思えてつい可愛がっちゃうっていうか…」

「笑い方もさ、ずいぶんオレといる時より楽しそうだったじゃない。」

ゆっくりまばたきをしながら北斗が私を見つめる。口角を上げて話しているけれど、目は笑っていない感じがして背筋が一瞬ぞくりとした。

「えぇ…そうかな、楽しそうっていうか…多分下品な笑い方だっただけじゃない？あの子くだらないことばっかり言うから。」

なんだか気まずくなって北斗から目線を外した。窓からは変わらず柔らかい光を差し込んでいる。