陰キャヒーローな君と。２ (ページ33)

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嫉妬2 ページ33

約束の時間から少し過ぎた頃、インターフォンがなった。

ガチャリとドアを開けて出迎える。

大きめのマスクをした北斗がそこには立っていた。

マスクと前髪でほとんど目が隠れてるけど、ご機嫌な様子が伺えた。

「いやー、今日晴れてるとはいえ風が冷たいね。」

「あ、うん。そうだね。」

一方の私はというと、まともに北斗の目を見て話すことができない。ぎこちないロボットのような動きをしてなんとか部屋に進んで誤魔化す。

「…」

「…」

誤魔化したつもりだったけれど、誤魔化しきれるわけがなくて、北斗はなにやら察したようだった。でも、言及はしてこない。これが彼にとっての優しさなのかもしれない。

「…あぁ、、えっと…ココアでいいかな？さっきお湯沸いたからすぐ淹れられるんだけど…。」

「うん。なんでも。」

さっきまでニコニコだった北斗が、なんだかしぼんだようにみえて申し訳なくなった。せっかく気分良かったのに、私のせいで、と自責の念に駆られる。

腰を下ろしてから、ゴホン、って軽く咳払いしてスマホをいじりだした北斗。

せっかくの貴重な休みに会いにきてくれたわけなのに、私が変な態度をとってしまったばかりに居心地が悪いのだろう。

いつもの北斗ならココアを淹れる私を目で追って話しかけてくる。でも今日はそれがなくてなんだか寂しい。