陰キャヒーローな君と。２ (ページ32)

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嫉妬。ページ32

やってしまったかもしれない。苦しい。そんなことを考えながら、ぼーっとキッチンに立つ。

現在、土曜日の14時30分。
柔らかい太陽の光が窓から入ってくる中、私はポットが沸くのを待っていた。

今日は久しぶりに北斗と会える日。土日関係ないお仕事に就いている北斗が珍しく1日オフってことで、じゃあ会おうね、なんて話して、北斗が家行くよ、って言ってくれて。

私は私で今日はたくさんツアーの思い出話も聞けるかな、なんて考えて楽しみにしていたのに。

昨日の夜、北斗が昔出ていたドラマの再放送を観たのがいけなかった。

出会ってからアイドルだってことを知ったわけで、出演していたドラマのことも全然知らなかった。だから、ちゃんと演技してる姿はそういえば見たことなかったなと思って、軽い気持ちで再放送を観てしまった。

ジャンルに恋愛、って書いてあったのにそれを無視して。

最終話まで見たわけではない。でも、最終話にいく前にちらほらラブシーンはあって、見事に撃沈した。

どんな顔をして北斗に会えばいいのだろうか。
会いたいけど、会いたくない。そんな気持ちを抱えて、私は静かにため息をこぼした。15時に北斗はやってくる。約束の時間まであと少し。