陰キャヒーローな君と。２ (ページ30)

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バレンタイン8 ページ30

「なにそれめちゃくちゃハッピーセットじゃん。」

思わぬポジティブ発言にビックリして顔を上げる。

「え、怒ってないの？」

「ん？何で怒るの？」

「勝手に繋がるな！みたいな…。」

「えー、だってさ大好きなメンバーの髙地とAが作ってくれたってさ、それめちゃくちゃすごいことじゃない？

大好きのかけ算でハッピーセットでしかないじゃん。」

そう言って再びガトーショコラを口にする北斗。

大好き同士のかけ算でハッピーセットなんてワードが飛び出す北斗が大好き。

「あれ、てことはさ、オレとAが付き合ってること髙地は知ってるの？」

「そう…だね。」

「うわ、だから最近髙地おかしかったのか。」

「え、どういうこと？」

「なんかニヤニヤしてくんの、たまに。
なに、って言ったら『なんでもない』とか言って肩たたいてくんだよ。」

「それは完全にイジられてるね。」

「さっきもさ、早く上がったじゃない、オレ。

いつもはわりと仕事終わった後も楽屋でなんだかんだ話したりするんだけどさ、すぐ帰ろうとしたからメンバーからつっこまれたのね。

でも髙地だけはまあまあ、とか言ってて。あれ？なんかこいつ一個背負ってる？って思ったんだよね。」

妙に納得した様子で矢継ぎ早に語る北斗。

自分の知らないところで髙地さんにバレてたのが恥ずかしいのか耳が赤くなっていた。