バレンタイン7 ページ29
「はい、チョコ。」
座ってココアをすする北斗に例のガトーショコラを手渡す。
「お、え！？なあにガトーショコラ！？」
一気にテンションが上がる北斗。
あれ、家で渡すなら別にラッピングする必要もなかったし、なんならマフィンの型に入れて焼く必要あったっけ？と今更ながら思った。
お皿にのせて出した方が良かったのでは…？と考えだした私をおいて終始嬉しそうな北斗。
ラッピングを開けるのも楽しそうだから、これはこれで正解だったのかもしれないと思わせてくれた。
「食べていい？いいんだよね？」
「ど、どうぞ。」
…
「すんごい美味しい。」
目を大きく開いて、美味しい美味しいと言ってくれる北斗。疲れた体にしみるぅとかなんとか言ってる。良かった…と一気に安堵感に襲われる。
「喜んでもらえて良かった。�眞呂気鵑冒蠱未靴森暖紊�あったよ。、」
一安心して私もココアを口にした。
「…ん？�眞蓮�」
北斗の手が止まる。
「雑誌かなんかでそういうの話してたっけ？お菓子の作り方とか。」
北斗がゆっくりこちらに目線をやる。
「あ、いや前にたまたま�眞呂気鵑鵬颪辰謄船腑海虜遒衒�を相談したっていうか…。」
「えーっとじゃあなに、これは�眞呂�Aの共同作品ってこと？」
「共同作品っていうと大げさだけど、まあそういうことになる…のかな。」
あれ、北斗怒った？
勝手に�眞呂気鵑鳩劼�ってチョコ作ったから怒ってる？
やましいことなんて一つもないのに、なんだか北斗が怖くて、北斗を見れなくて目線を手元にあるココアにやった。
淹れてから少し時間が経ったココアは弱々しい湯気を出すばかりである。
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作者名：あん | 作成日時：2023年10月19日 2時
