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バレンタイン6 ページ28
そしてバレンタイン当日。
日付をギリギリ越える前に北斗は家にやってきた。
「よかった、間に合った。」
よほど疲れてるのかドアを開けた途端に寄りかかってきた北斗。
「お疲れ様。テレビも見てたよ。」
そう言って力が抜けている北斗の背中に手を回す。
「…ごめん疲れてるよね、チョコ渡したらすぐ帰る？」
「え、何でそんなこと言うのよ、せっかく急いで1番に現場から上がってきたのに。」
ガバっと顔を上げて子犬のようなきゅるきゅるした目で見つめられる。
「えっあ、いや北斗疲れてると思って…。」
そんな目で見つめられると善意で言った言葉が間違いだったような気さえしてくる。
「まあ、じゃあ玄関じゃなんだし、部屋上がってよ。ココアもいれるよ。」
そう言って北斗の冷えた指先を握って部屋に招いた。
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作者名：あん | 作成日時：2023年10月19日 2時
