陰キャヒーローな君と。２ (ページ20)

今日:14 hit、昨日:74 hit、合計:49,119 hit

疑惑4 ページ20

「オレさ、勘違いしてたんだよ。」

「…なにが、」

「事務所の人に松村さん熱愛の記事でます、って言われてさ、事実確認されたの。で、てっきりAのことだと思ったから否定しなかったのよ。

それで実際記事見たら、某女優さんのことが書いてあってさ。もうめちゃくちゃ焦ったんだから。」

「うそだ」

「うそじゃないよ。」

「じゃああの写真はなに。」

「あれは、マネージャーがほかに仕事があったから、女優さんと同じタクシーで帰ったときのやつかな。車酔いしちゃったって言うから部屋まで送ったのよ。本当にそれだけ。」

心なしか私の手を握る北斗の力が強くなった気がする。

呼吸が落ち着いてきてやっと顔をあげられた。北斗と目が合う。北斗は泣きそうな顔をしていた。

「北斗…、ごめん疑って。」

「オレこそごめん。連絡できなくて。一回肯定しちゃったから否定するのも時間かかっちゃって今バタついてんのよ。

お母さんからも電話きてAのこと「あんないい子なのに！北斗しっかりしなさい」って怒られちゃってさ。」

「うん、」

「でも本当に熱愛とかじゃないから。」

北斗のその言葉を信じようと思った。信じたいと思った。