ミン ユンギの苦悩

8 ページ8

｢じゃあ帰るね、今日はありがとう｣

YG｢ほんとに送らなくていいのか？｣

｢もう、下にマネオンニ来てるから平気！｣



狭い玄関に大の男が7人も来たら
それはもう見苦しいことになるから
他はリビングでお別れ。

しかし俺はもちろん玄関まで。
下まで送ると言っても頑なに断る健気な天使。



｢明日からまた忙しくなるの？｣

YG｢おう、カムバに向けての準備期間に入るんだわ｣

｢この間血汗涙でカムバックしたばかりなのに？｣

YG｢あー、世界ツアーがある｣

｢そっか…。
…………寂しくなるね。｣



そう言って俯いたAに
俺の心臓は音を立てた。

表すならズギューーーーン！！だ。

こんなに可愛すぎていいんだろうか。
Aが言うならアイドル辞めるぞ！！




YG｢ばか、連絡してもいい｣

｢うんっ、する！｣

YG｢なるべく返信できるようにする｣

｢ワガママ聞いてくれてありがとう｣

YG｢はっ、こんなんだったらいくらでも聞いてやるよ｣



頭を撫でてやると、
嬉しそうに顔を綻ばせたAは
世界中で誰よりも可愛い。大天使。

Aエルだな。
………………アーメン。

暫く撫でていると、
ブーと携帯のバイブ音。



｢やば、オンニ来てるって！｣

YG｢そうか、じゃあまたな｣

｢うん！またね！ユンギオッパ大好き！｣

YG｢ははっ、はいはい｣

｢もぅ！真剣だよ？｣



頬をふくらませて、
じゃあねって笑顔で俺達の宿舎を後にした。

俺は口元を抑えて
思わずその場にしゃがみ込む。




YG｢……やっべぇ｣



やっべええええよおおおお！！！！
何！？最後の！？！？

大好きからの頬膨らましからの笑顔っ！！！
破壊力うううう！！！！


ｱ゛ｱ゛ｱ゛ｱ゛ｱ゛！！
好きだぁぁあ！！！！！



TH｢ヒョン？しゃがみ込んでどうしたの？｣

YG｢何でもねぇ｣



後ろからの声に、急いで立ち上がる。

あっぶねぇ！！
来たのテヒョナで良かった！

顔デレデレなのバレるわ。



TH｢ほんと？お腹痛くない？｣

YG｢大丈夫。ありがとな｣

TH｢痛かったら言ってね！俺治せるから！｣

YG｢ん、｣



テヒョンはほんとにいい奴だな。
あとアホでよかった。


安堵の溜息をつきながら
作業室に歩みを進めた。

9→←7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す