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初めての感情 ページ13

ク「話それたじゃない。僕、興味あるから聞いてるんだけど。」


本当は易々と自分のことを言いたくない。でも、口に出すことで楽になれる気がした。


A「あの、本当につまらない話ですよ?それでも、いいなら。」

ク「あぁ、構わないよ。」



A「…えと、私、病気なんです。不治の病で一年後にはこの病に冒されて死ぬんです。だから、今、クローリー様に殺されたとしても、残り少ない命の価値は変わらないので殺されてもいいと。」


ク「ちょっとちょっと。勝手に僕を殺人鬼扱いしないでよ。それに、君が逃げない限り殺さないよ。」


逃げようとは思ってないけど。そうか。逃げたら殺すんだ。


ク「ふーん。君が何らかの病気持ってるのは、薬が出た時点で分かってたよ。…まぁ、でも、そんな理由があるとはねぇ。想定外だ。」


クローリー様は物珍しそうに私を見た。


A「…何故、私の事を知りたいと?」

ク「え。気に入ったからだよ。」

A「血が?」


一瞬、クローリー様の顔が曇ったのは気のせいだろうか?


ク「……そうだよ。家畜にしては極上の血を持ってるんじゃないの?そんな君に興味が湧いたの。…それだけ。」



A「…。私、もう少しで死ぬので、多分、私が居なくなればその興味も無くなると思いますが。」


そんな事を口走っていた。


ク「君さぁ、"死ぬ"ってことに対して恐怖とかないの?君は余命が1年らしいじゃないか。だから、余計に"死"を意識してたりしないの?」



A「私は今すぐにでもこんな世界から抜け出して楽になりたいです。生憎、大切な人も家族もいないので私が死んでも誰も悲しみません。」


はっきり言ってやった。だって、これが本心だから。こんなこと言えば、殺されるのだろうか。


ク「あはは。あー、面白いな。ますますAのこと気に入っちゃうんだけど。でも、あと一年でこの血が飲めなくなるのは惜しいな。」


そう笑われ、頭を撫でられた。…なんか、複雑な気持ちになる。こういう時は、なんて声を掛けたらいいの?


ク「あ、そうだ。今年の目標は君が、"私、死にたくない"って思うようにすることにしよう。難易度高そうなゲームだけど、退屈しなさそうだ。」


A「はい?」


吸血鬼は不毛なことを好むのだろうか。余程、暇なのだろうか。残りの時間で生きる意味なんて見つかる筈がない。仮に見つかったとして、どうなる?






私は死ぬんだ。

作者から→←お目覚めのプリンセス


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わたあめ(プロフ) - ユーリさん» わざわざコメントして下さって、ありがとうございます(><)嬉しいです! (2018年1月23日 19時) (レス) id: 32747bfe12 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - コメント失礼します!クローリー様イケメンですね!更新楽しみにしてます!私の作品のアンケート投票ありがとうございました! (2018年1月23日 15時) (レス) id: 5e2bf797a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたあめ | 作成日時:2017年12月5日 23時

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