11.愛してる ページ12
そのやり取りをジャミルは心底可笑しそうに笑いながら見つめていた。
「ザマァないなカリム。世界で5本の指に入る大富豪の当主様が、1人の少女に振り回されるなんてなぁ？」
「んぐっ…絶対好きって言わせてやる」
ジャミルの揶揄に返してファナを見ると、ポカンとして俺たちを見つめていたがやがて顔を赤く染めはじめた。
『……カリ、ム様は…私に、あの…す好きと、言わせたい…んですか？』
目を泳がせ俯きながら途切れ途切れに言葉を紡ぐファナがとても愛おしい。
ファナの腕を持ち上げて服の上からキスを落とすと、面白いくらいに戸惑って顔を真っ赤にさせていた。
声を出そうとしているが、パクパクと口を開けたり閉じたりしてるだけで言葉は出てこない。
「あっははは！そんな反応したら食っちまうぞ？」
『た、食べる！？』
そう揶揄えば、今度は顔を真っ青にさせて距離を取ろうとする。
側で見ていたジャミルは耐えられなくなったのか、声を押し殺しつつ笑い出した。
「これは大変だなぁ〜？カリム様」
「……絶対俺のことしか見れなくしてやる」
口を尖らせながらそう言い返せば、ジャミルは肩を震わせて脇腹を押さえていた。
ジャミルは学生時代にオーバーブロットしてから感情や才能を曝け出すようになった。
成績はいつもトップに入っていたし、笑顔も増えた。怒ることも増えたが前よりかはそっちの方がジャミルらしくて俺は好きだ。
ファナがその変化に気付いてるかは知らないが。
『カリム様。そろそろ12時ですけどどうなされますか？
遠出の疲れもあるでしょうし早く休息をとらなくては』
時計を見ると、後数分程で針は12時を指す。そろそろお開きにした方がいいだろう。
「悪いがベラにお開きにすると伝えてくれないか？俺は客人を案内しなくちゃならないから」
俺の言葉にファナはピクッと肩を震わせたが、すぐにベラの元に向かった。
「いいのか？あいつファナに対して当たりがキツイぞ」
「大丈夫だ。今日はまだ、な？まあいつか解雇するよ」
ベラが俺に好意を寄せているのは知っている。
その理由も。
前に何度かあいつ相手に夜伽を行ったことがある。あれはファナと似たような髪をしていた。だから抱いた。けどあれは自分に対して好意を寄せているんじゃないかと思ってる。
前に要らないブレスレットを押し付けたのも勝手に解釈しただろうし、あれは色々と面倒臭い。
「(ちゃんと処分しないとな)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 816人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりあ(プロフ) - ファナ様、初めまして。コメント失礼致します！私自身重い愛情が好きなので、いつも楽しく読ませて頂いております。今後の奥様方との関わりも二人の関係もどう発展していくのか今からとても楽しみです！無理のない範囲で更新の方頑張って下さい！応援しております！ (2020年10月18日 2時) (
レス) id: ead223a600 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ - え、え、なにこれ好きです頑張って下さい!! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 8ec6a17ac7 (このIDを非表示/違反報告)
ファナ(プロフ) - しのぶ様ああああさん» 私はえちえち大好き人間なのでこれからもえちえちシーンでます( ^ω^ ) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 9cecc5311f (このIDを非表示/違反報告)
ファナ(プロフ) - 青い夕日さん» うわぁぁあああありがとうございますッッッ！！！ (2020年9月7日 23時) (レス) id: 9cecc5311f (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ様ああああ(プロフ) - 全裸待機() (2020年9月2日 16時) (レス) id: 1793c12bd8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ファナ | 作成日時：2020年8月12日 2時
