Guidepost【文豪ストレイドッグス】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,443 hit

参話ページ5

・

「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
「出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」
「んぐむぬ?」
「だから仕事だ!!俺と太宰と夏目は軍警察の依頼で猛獣退治を＿＿」

……と云うか。

「「君たちなんで会話できてるの?」」

わ、治と斉唱した(ハモった)。何か嬉しい。

****

「はー、食った!!もう茶漬けは十年は見たくない!!」
「御前……」

国木田くんの顔に怒りマークが立ってる、凄い。

「否、ほんっとーに助かりました!
孤児院を追い出され横浜にでてきてから食べるものも寝る処もなく……あわや斃死かと」
「……ふうん、君、施設の出かい」
「'出'というか…追い出されたのです。」
「……む?追い出された?」
「はい、経営不振だとか事業縮小だとかで…」
「…それは薄情な施設もあったものだね」

……可笑しい。経営が傾いた位で…別の施設に移すのが筋だと思うんだけど……。
先ず追放なんてしないだろう…大昔の農村じゃあ無いんだから。

…なら、施設にとって有害…?この少年は何かを'持って'いる……?

…………否、情報が少な過ぎる。

「＿＿＿倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ。最近この近くで目撃されたらしいのだけど＿＿」
「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼します」

声が聞こえた。随分考え込んでいた様で何も聞いていなかった……。

「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!この辺に出たなら早く逃げないと＿＿」

そう云い、少年が逃げようとすると国木田くんが少年の右手首を掴んで床に押し倒した。
そして国木田くんが少年の背中に座り込む

「云っただろう。武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本か若しくは凡て話すかだな」
「……っ!」

………あれ、なんかあの少年凄く可哀想。