好きじゃねぇよ、バーカ。 【名前変換可能】

Obstinate＊06 ページ6

「お前さ、まじ体力ねぇな。」

『ちがっ、あんたっ速すぎるっ！』


仲野の後をついてきて、たどり着いたのは公園だった


『あ、仲野のスクールバッグ落とした。』



少し前でベンチに座ろうとしているらしい仲野に下らない仕返しをしてみる



「はぁ！？」

『っるさ。』



落としてなんかないけどね。

いきおいよく振り返った仲野に、わたしは実物を突き出して


『うっそー。』


とか言ってみる。



「…………くだらねぇ。」

『くだらなくてすみませんねっ』



ポイッと投げると、しっかりと仲野の腕の中に返っていった



『お、ナイスじゃん私。』

「いや、俺ね。」



確かにくだらないと思う、中学生いや小学生ぐらいかもしれない。

だけど私はこんな日常が好きで



「こっち、来い。」

『はーい。』


一足先にベンチに座った仲野が、となりのスペースを叩く


『っしょ。』

「あ、そーいえば。」

『ん？』


大人しく隣に腰掛けると仲野が私に袋を渡した


「やる。」

『え、なにこれ？』

「知らね。それ、女子から貰った。」

『はぁ？そんなの私にやっていいの？』



つくづく、無神経だと思う


ふつう女の子からもらったものを他の子にあげたりしないって。


「いいんじゃね？」


『ふーん。』



多分それは私の気持ちなんか気にもしてないから、出てくる行動だろう。



『わっ、美味しそう。』

「………お前さ。」


袋を開けてみると美味しそうだったから素直に頂くことにしよう。

『んー？あ、おいし。』

「…………はぁ。マジで食べんのかよ。」

『え？なんか言った？』

「別にー。てか手、でかくね？」

少しだけ感謝してた、ちょうど小腹が空いていたところだったから

なのにまたコイツは私を挑発する


『でかくない！』

「ちょ、かしてみ。」

『え。』


またいつものが始まるんだと思ってたら、いきなり奪われた手

仲野は自分の手を合わせて


「いや、そーでもねーか。」

『でしょー？女の子らしい手してますからー♪』

私の手を離すと

「はいはい、ちっちゃいちっちゃい。」

そう言って、もう一度だけ手を重ね

トントンって、ベンチの上で私のを軽く叩く









「もう握らせんなよ。」




『うん？』




なんかよくわかんなくって、とりあえず返事はしておいた。

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