Obstinate*30 ページ30
「どうどう、今の拓真に似てた?」
ぱっと立って隣を見てみれば凛空が景色を見ながらケラケラ笑ってた。
「大丈夫、泣くことは悪いことじゃないよ。」
ふわっと私の胸に染み込むその言葉をなんのためらいもなく発する。
それが彼だ。それが、アイツとは違うところ。
「ごめんね、俺ら知ってたんだ。」
『え?』
彼は依然としてこちらを見ないまま、少しだけ笑顔をななくしてそう言った
「茉奈も、俺も。」
『っ…………そっか。』
凛空と話していれば、不思議と涙も引いてきた。
ひどい、なんで私にだけ言わなかったの。
そんなこと思わない、だってもし私がアイツと同じ立場だったとしてもそうするだろう。
「あーあ、なんか。……………寂しいね。」
『っ………う、ん。』
寂しい、寂しいよ。
私が一人また泣きそうになっていると
「っしょ。」
『へ?』
「ふふ、Aの手だ。」
ふと手を掴まれた。
たぶん彼は相当身を乗り出しているのだろう。
「さっきさ、拓真が帰ってきて頼まれちゃったんだよね。」
『……。』
「………………なんて頼まれたと思う?」
『慰めてこい…………とか?』
ブッブー、違いまーす。
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凛空には悪いけど
私は考える気にもなれなくて
『ごめん、わかんない。』
そう言った。
「そっか。……………………あのね。」
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「Aのこと、幸せにしてやれ。だって。」
「あ、あとね。1個だけ。」
いつからこんなに好きになってしまったんだろう
そんなの考えるだけ無駄なんだろう
君がいてくれないと、泣くこともできないのに
.
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.
.
「俺のために泣くな。だって。」
いつだって泣かせているのは君なんだよ。
「あと、俺から。俺は吉田Aが大好きです。」
『…………………へ?』
「じゃ、おやすみ。」
誰が言った言葉だろうか
別れを恐れたのでは遅すぎる 出会うことを恐れよ
私はまた1人涙を流すと、部屋へ戻った。
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あおはる - えぇぇぇぇぇぇぇえ!! 終わり方あぁあああああ! 好きぃぃぃぃぃぃい!!! 好きな人と性格似すぎて怖い まっ、好きな人のほうが全然かっこいいんだけどねっ♪(?) 大好きです (2021年7月6日 23時) (レス) id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
とあるY - 好きな人と性格が似すぎてビックリしました! (2021年1月13日 16時) (レス) id: 421fd3c561 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 読み始めは、どうなるの?と思いました! すごく“青春,,が書かれていて、自分が主人公になった気がして、もう本当にドッキドキが止まりませんでした!最高です! (2021年1月12日 6時) (レス) id: 0a82627353 (このIDを非表示/違反報告)
ayana1101(プロフ) - まじ最高です (2020年3月22日 18時) (レス) id: d9ed228046 (このIDを非表示/違反報告)
海 - なんだか私の好きな人にとても似ていました!面白かったです!! (2019年10月30日 22時) (レス) id: 1dbf98b378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちねな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/5d6d080ec71/
作成日時:2014年3月22日 21時