好きじゃねぇよ、バーカ。 【名前変換可能】

Obstinate＊42 ページ42

ホラね、って少し悲しそうに笑う凛空から目が離せない

仲野「凛空、吉田返せ。」

「はいはい、ごめんごめん。じゃあね。」

なのに近くにいる仲野の存在に胸が高鳴りだした。

キャンプファイヤーが始まった。パチパチって音を立てて火花が宙を舞う

「………向こう、行かねぇの？」

『うん。そっちこそ。行かないの？』


何も答えないで、隣に座った仲野が見つめているオレンジの炎が揺れている。

みんなの笑い声が聞こえて、はしゃいで歌なんて歌っている。

わたし達はまるで蚊帳のそと。

文化祭の、準備っていう口実で一緒に居られたの本当に嬉しかった。それだけで幸せだった。

ほかの誰にも感じないのに、今でも仲野の横顔に恋してるよ。

呼んでるじゃん、って言うと、うん。って返ってくる。

楽しみにしてるとか言っときながら、全然楽しそうじゃないじゃん。

本当はまだ行かないで、なんて声に出して言えたらいいのに




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「A」

『え？』

久しぶりに名前を呼ばれて思わず仲野を見ると

「あのさ、いい加減俺の事名前で呼んでくんねぇかな。………前は呼んでくれてたのにさ、今はなしとか、そんなのずりぃっていうか…………なんつーか、苦しいんだよ。」

彼はそうまくしたてた。

吸い込む空気が暑い


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＊


＊

『あ……あ、のその………』

「ねぇ、好きなんだけど。」


聞き間違いだ、そう思いたいのに


「ずっとずっと好きだったんだけど。気づかねぇし。………コクる勇気なんてなくてさ、意地張って嫌われるようなことばっか言ってさ。本当はお前が他の奴んとこに行くの考えるだけで、チョーやだ。やだっつーか、キツい。」

そんな泣きそうな顔しないでよ

「好きだよ、好き。すっげー、好き。」

そんなの柄じゃないじゃん。

もっと早く言ってよ、なんで遠くに行っちゃうの言いたいことはいっぱいあるよ、一杯一杯あるのに

『…………っ……ばかっ』

言葉って何でこんなに不便なんだろう。






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ちねな

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