告白(うらたぬきさん・志麻さん) ページ3
○仕事仲間兼リスナー
とあるアニメの収録が終わり、今日もいつも通りの帰宅。
自己反省しながらスタジオを出た時だった。
「Aさん!」
成人男性とは思えない幼い声で私を呼び止めたのは、先輩の浦田わたるさん。私の好きな人。
『浦田さん?』
「これ、廊下に落ちてた…Aさんのだよね?」
そう言って見せてくれたのは緑色のマーカー。台本に書き込む際によく使っているものだ。
『私のです!拾ってくださってありがとうございます!よく私のってわかりましたね?』
「Aさんがこれ使ってるの見てたから。Aさんが知ってるかわかんないけど、俺歌い手の活動もしてて、イメージカラーが緑だから、緑の物を見ると嬉しくなるというか…」
何とも可愛らしい理由だった。
元々可愛い人だとは思っていたが、自分の色だからって…可愛すぎない?
というか、歌い手の方のうらたさんも存じ上げておりますありがとうございますこたぬきです。
「もー何で笑うの」
『可愛らしい理由だなと思って』
「俺よりAさんの方が可愛いよ」
『へっ!?』
「演技に真剣な顔も、今の驚いた顔も、勿論笑顔だって全部可愛い。…君のことが好きなんだ。俺と付き合ってくれない?」
『は、はい…』
イケボはずるいと思うんですよ浦田さん。。。
○バイトの先輩後輩
『せんぱーい。帰りましょー』
「んー」
ある飲食店で働く私。
ここで私の世話係をしてくれているのがこの男、志麻先輩だ。
来店される女性客の殆どが先輩に釘付けになる程のイケメンで、かくいう私も先輩のことが好きだったりする。
『先輩今日もモテモテでしたね』
「お?なんやヤキモチか?」
『んなわけない。彼女じゃないのに』
「Aが彼女やったら毎日賑やかでええなw」
『ちょっとどういう意味ですか』
こういう今の関係が居心地良くて、振られてギクシャクするよりこのままがいいなんて思ってしまう。
『彼女作らないんすか?』
「好きな子はおるで」
『誰!?』
少し胸が痛んだのを隠すように、テンション高めのリアクションを返す。
「うわめっちゃ食いつくやん」
『だって、美人客にも靡かない先輩がですよ?誰です?応援します!』
「Aだけには応援されたくないな」
『可愛い後輩の応援ですよ?』
「可愛くてたまらん、俺の好きな人だからやん」
『…え?』
「Aの事が好き。付き合え。先輩命令」
『せ、先輩命令じゃなくても付き合いますよ』
「ありがと」
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作者名:Lei | 作成日時:2021年4月23日 16時