47話 ページ48
「んん、なんか口の中に酢昆布みたいなのが……」
「それ俺の髪だアホ食うな!!」
仕方ないじゃんバイク乗ってるから風に吹かれてなびいた髪が私の顔面に直撃するんだもん。
髪をペッペッと何回も出しながらやっと着いた公園、あぁあ、見えないって悲しいなぁ
「あそこのベンチ行くぞ、」
「うん。」
そのベンチは、カツアゲされてる最中に、ガリ勉姿で辞書を引いていた頃の場地君に初めて会った時の場所、
本当に第一印象強かったわ
ベンチに優しく座らされて、場地君も背中合わせになって座った
「久々に来たねぇ〜」
「久々どころか初めて会った時以外ここ来てねぇからな」
「ほんとだ……てかここ初めて会った場所って覚えてたんだ笑」
「ったりめぇだろ。初対面のお前が目の前で野郎に頭突きしたんだぞ、んな濃い記憶忘れるか。」
お互いにお互いの第一印象が濃いことが分かった
頭突きマンと自称ガリ勉不良馬鹿、きっとあの事件がないと今こうして話してすらないだろう
だから感謝するよカツアゲ不良君。今どうしてるかなぁ(頭突きのおかげで不良だった時の記憶だけすっ飛んで更生してます)
「手羽先がさ、多分寂しがってると思うから時々見に行ってやってよ。」
「本当に最低な名前付けやがったな。飼い主に似て寂しがってんなら会ってやるよ」
「小鳥たん寂しくないもん。ちょっと羽根抜けちゃうけだよ」
「おう。ストレス溜まるんだな。」
一個一個、丁寧に記憶を取り出していく、
あったのは最近なのに、話すことは沢山あるって良いな、本当にいい思い出を作ることができた
「ありがとう、場地君」
「なんだ改まって」
「なんか、言いたくなったから。」
そこで異変に気がついた場地君はこちらを向いたが支えをなくした私が力なく場地君の方へ倒れ込んだ
「ッ!!おい!どっか悪いのか?早く病院に戻るぞッ」
きっと青白い顔をした私の顔を見てびっくりしたんだろうな、
でも今は全然苦しくないから、
「待って、大丈夫だよ」
「大丈夫ってお前……そんな顔しといて」
「もう、明日まで持たないみたいだから、」
それを聞いた場地君は時間が止まったように固まった
"明日まで持たない"という意味を場地君でも理解出来た
「持たないって……お前ッ!!父ちゃんが治療法探してくれてたんだろ?なんか無いのかッ!」
「無いんだろうね……だから、私に会いに来たんだ」
しばらく静かな時間が流れた
かすかに聞こえる嗚咽の音
「場地君、泣いてるの?」
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炭子(プロフ) - かえる38さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます!!!この作品で感動してくれた事が私はとても嬉しいです!その言葉で書いてよかったと思えます。ありがとうございました! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
かえる38(プロフ) - とっても素敵なお話でした! 心が暖まって、泣けてきて……。無料で読んじゃっていいんですか!?、ってレベルのクオリティで本当に感動しました。素敵なお話を書いてくださってありがとうございます!読んでて凄い楽しかったですっ!!! (2021年8月9日 14時) (レス) id: dc610bcb00 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - カメ豆腐さん» この作品で泣いてくださってありがとうございます!!続編、楽しみにしててください笑 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - はるるさん» この作品で胸いっぱいにできてとても嬉しいです!!お優しいっ!!はるる様も体調崩さぬよう、健康を願っています!!長文ありがとうございました!!また続編もよければ見てくださいね! (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
カメ豆腐(プロフ) - ガチで泣いちゃいました!続編楽しみにしてます!! (2021年8月8日 1時) (レス) id: 78458b5353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炭子 | 作成日時:2021年7月9日 7時