42話 ページ43
ただ失血が心配なだけ、どれだけ血を失ってるかなんてわかんないけど
だんだん足元が歪んだようにフラフラしてきた
「Aッ!!」
焦った場地君の声が聞こえて、私が倒れかけたことに気がつく
もう目も殆ど見えない、けど場地君が掴んでくれているのだけは分かる
それだけは、匂いや感触や視覚が無くても分かった
「おいしっかりしろッ!!病院連れてくからッ、お前は死んだらダメだろッ!」
「だぅ……ゲホッ、じょ、コポッ」
ゴポゴポと口から血が出て上手く声が出せない
でも、言わなきゃ。最後まで自分の口で。
「ごめ……ん、」
「謝んなッ、俺を庇ったばっかりに……!」
「違う……、きいて、」
「おい、誰か早く救急車をッ」
どんどん青白くなっていく私を抱え、半ばパニック状態になりかけているから全く私の声が聞こえていないようだった
「場地君ッ聞いて。」
「ッ!!」
場地君のほっぺたをペチンと両手で挟み落ち着かせる
「あのね、私……もう治らない、病気なの……
あと少ししか、生きられない命なの、今まで黙ってて……ごめんね、本当はこの街に来た時から……危なかった、何度も入院をしろって言われた……
けどね?……場地君、君に会って、初めて友達ができたから……楽しくて、楽しくて、千冬とも仲良くなってどんどん、過ごしていくうちに……苦しいくらい、君達から離れたくなくなって、だから……もっと苦しくならないうちに、自ら遠ざけた」
途切れ途切れでも一度話し始めると止まらない、
場地君や千冬がどんな顔してるかなんてもう分からないから、言葉を続ける
「場地君、昨日君は……私に好きだって、言ってくれたよね……
すごくね、嬉しかったんだ、不器用な君が想いを伝えてくれたから……
何より、私も場地君が好きだから、」
「ッ!!!」
マイキー君の声や声を荒らげた男の子の声
遠くから聞こえる救急車の音に邪魔されることなく、私の悲しいこの想いはやっと場地君に届いた
「できれば、ほんの少しだけでもいいから、君がいる未来で、君のとなりにいたかったなぁ」
「ッ!何言ってんだ、俺の今も未来も……隣に居るのはお前だ。」
「なぁに、プロポーズ……してくれてんの?笑」
「そうだなァ、そう思ってくれてていい」
「んふふ……ばーか」
気がつけば周りには白い上着を着た人達は居なくなっていて、マイキー君達も色々解決したみたい
もうすぐ救急車が来るからそれまで寝てろと優しく包まれて、私は意識を失った
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炭子(プロフ) - かえる38さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます!!!この作品で感動してくれた事が私はとても嬉しいです!その言葉で書いてよかったと思えます。ありがとうございました! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
かえる38(プロフ) - とっても素敵なお話でした! 心が暖まって、泣けてきて……。無料で読んじゃっていいんですか!?、ってレベルのクオリティで本当に感動しました。素敵なお話を書いてくださってありがとうございます!読んでて凄い楽しかったですっ!!! (2021年8月9日 14時) (レス) id: dc610bcb00 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - カメ豆腐さん» この作品で泣いてくださってありがとうございます!!続編、楽しみにしててください笑 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - はるるさん» この作品で胸いっぱいにできてとても嬉しいです!!お優しいっ!!はるる様も体調崩さぬよう、健康を願っています!!長文ありがとうございました!!また続編もよければ見てくださいね! (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
カメ豆腐(プロフ) - ガチで泣いちゃいました!続編楽しみにしてます!! (2021年8月8日 1時) (レス) id: 78458b5353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炭子 | 作成日時:2021年7月9日 7時