＿＿君を忘れたくない【場地圭介】

34話 ページ35

夏祭りがあった次の日、私は入院して今日は入院して2日目の8月5日

今まで頑なに入院を拒んできたけど、これでいい



病室は四人部屋の所だった、一人部屋の方がどっちかといえばよかったが病室が空いてないと言うので諦めた
窓際で景色が綺麗だから案外いいかもしれない


必要品を棚に入れていたママが私の耳に着いているものに気がついた



「あらA、それはどうしたの？」



夏祭りの時、場地君がとってくれたこのイヤリング、閉まっておくのも申し訳なくて付けている



「場地君から貰ったの」


「そう！似合ってるわ」


「んふふ、ありがと」



ママが先生と話してくると出ていったあと、ガタガタと外が騒がしくなって看護師さんに聞いてみたら、一昨日手術をした患者が集中治療室からこの病室に移るらしい
ということは、前も斜め前も埋まっているから、隣だ



「どんな人だろう」


怖い人じゃなきゃいいな。

測り終わった体温計を看護師さんに渡し、去る看護師さんにカーテンを閉めてもらってようやくベッドで一息つけた

病院のベッドは固くもなく柔らかくもない、




病室に何人かの看護師さんとベッドが来た

あぁ、この人がお隣さんか、とカーテンを開けることも無くそう思った




ﾋﾟｺﾝｯ


「場地君からか、」


届いたメールには、今度千冬の家に集まってペヤングパーティーだという遊びの誘い

何か言葉を返すのがいやで、絵文字で返した





「A、明日検査があるみたい」


「ん、わかった」



ｼｬｯ！！


そう音を立てて開いたのは私のベッドと隣のベッドを塞ぐカーテンだった

私はびっくりして固まっていた

開けられたことへの驚きではなく、その人物に対して




「お、おまえｯ」


「ｯ！！」


どうしよう、バレてしまった。場地君じゃないけど、同じ郡の中にいる人だ、前にあったことがある人だ

場地君に知らせちゃったらどうしよう……だめだ、




「あらぁ、たしかこの前マイキー君を迎えに来てた子よね？
どうしたのその怪我！」


「え、あ、いや。ちょっと色々アリマシテ。」


「やんちゃしすぎるのもダメよ？？」



ママがどんどん話をしているうちに少し落ち着いてきた

ママありがとう、あなた達だけで話しなさいと出ていったママに心の中でお礼を言った



「お久しぶり、ドラケン君だったっけ？」


「おう、お前なんでここに」


「……」


「場地に言うか」


「ｯ言います！」









「それ、俺も聞いていい？」




そう言ったのはドアに寄りかかったマイキー君だった

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