30話 ページ31
人前で泣くという醜態を晒してしまって、今穴があったら入りたいほど恥ずかしい
人前って言っても、友達の前でだから……もっと恥ずかしい
20センチ以上大きい場地君に頭を撫でられて、不覚にも30秒程度普通に受けいれていた
「いつまで撫でてんのさ……」
「泣き虫のひぃさんが心配なんだよ」
「言い方がなんかやだ！」
けど今度こそ帰らないと、あんな状態で置いてきたママのことも気になるから。
「2人ともありがとう。整理ができたら、その時は私の話聞いて欲しい！」
「「おう。」」
下の階に住んでいる千冬と外に出たら、団地を出るところまで着いてきてくれた
家まで行こうかと言われたけど、色々考えたくて断った
人生初めての友達、こんなにくすぐったくて暖かいものだったなんて知らなかった……
あの時言ってくれた場地君の言葉、頑張ったなって頭を撫でてくれた時の場地君の顔
撫でられた時の手の感触がまだ頭に残っていて、気持ち悪いほどに自分の顔が緩んでしまうのが分かる
もう手遅れだ、もう引き返せない。
私は＿＿場地君が好きだ。
どうしようもなく大好きだ。
私には未来がないから、好きな人なんて作らないって決めていたのに……
あなたと共に生きたいと思ってしまう。
頬を伝って落ちていく水なんか無視して、すぐ近くにある家に戻る
少し目を腫らしたママが出迎えてくれた時、私の顔を見てびっくりした
「どうしたのAｯ」
「ママｯ……ままぁ」
擦っても擦っても嫌なくらい出てくる涙は今まで我慢していた何年か分なんじゃないだろうか
ママにだって泣いてるだけじゃ伝わらないってわかってる
「ゆっくりでいいから、言ってごらん」
「どうしようｯママ……好きな人ｯ……でぎちゃったぁｯ私、死んじゃうのにｯ……気づきたくなかった！」
今日は想いに気づいただけだ、
きっともっと前から、好きだったｯ
こんな苦しい思いをするなら気づかなきゃ良かった
「そっか、その子……すごくいい子なのね。」
ママはきっと誰かわかっている
「けど、辛いねｯ、」
「うんｯ……いやだなぁ……忘れられたくないよｯ」
私の患っている病気にはもうひとつ
悲しすぎる事が起きる
「ママ、……8月3日に武蔵神社でお祭りがあるらしいんだ、
私、行ってくるね」
きっとこれが最後の君との思い出になるだろう……
「お祭りが終われば、私入院する
だから。行かせて……」
「ｯ！！えぇ、楽しんでらっしゃい」
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炭子(プロフ) - かえる38さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！！！この作品で感動してくれた事が私はとても嬉しいです！その言葉で書いてよかったと思えます。ありがとうございました！ (2021年8月11日 23時) (
レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
かえる38(プロフ) - とっても素敵なお話でした！ 心が暖まって、泣けてきて……。無料で読んじゃっていいんですか!?、ってレベルのクオリティで本当に感動しました。素敵なお話を書いてくださってありがとうございます！読んでて凄い楽しかったですっ！！！ (2021年8月9日 14時) (レス) id: dc610bcb00 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - カメ豆腐さん» この作品で泣いてくださってありがとうございます！！続編、楽しみにしててください笑 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
炭子(プロフ) - はるるさん» この作品で胸いっぱいにできてとても嬉しいです！！お優しいっ！！はるる様も体調崩さぬよう、健康を願っています！！長文ありがとうございました！！また続編もよければ見てくださいね！ (2021年8月8日 2時) (レス) id: 3a1716b698 (このIDを非表示/違反報告)
カメ豆腐(プロフ) - ガチで泣いちゃいました！続編楽しみにしてます!! (2021年8月8日 1時) (レス) id: 78458b5353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：炭子 | 作成日時：2021年7月9日 7時
