＿＿君を忘れたくない【場地圭介】

27話 ページ28

結構一般の家庭感がある部屋を進んでいき2人が居るであろう部屋に向かう


「いやこんな暑っついのに扇風機も何もつけずにペヤングとか。

美味そうだなおい分けろや」


「あ？買ってこい。」


「家に帰るよりコンビニ行く方が遠いっての。」



ガチ暑いのにもう外出たくないわ

勝手にコンセントにコードを指し扇風機をつける
こんな暑いのに扇風機つけないなんて馬鹿のすることだ


いや馬鹿だわ。



「涼ぃー」


この扇風機、首振りの部分が壊れていて手で動かさないといけない物だった


まぁ首振り壊したのは場地君ってすぐ分かるよねー。大方ちょっとイラついたからってぶっ叩いたんだろうな

ｶﾁｬｯ


「ちょっと何勝手に向き変えてんの」


「この扇風機は俺のなんだよ文句あっか」


「いやこんな暑っいなかペヤング食べられるくらいの体力あるなら暑さにも耐えなよ。私暑いの苦手なのー！」


ｶﾁｬｯ


向きを私の方に直してまた涼む、生き返る……エアコンがあったらまじ最高なんだけどなー


ｶﾁｬｯ


「客人はうちわで十分だろ」


ｶﾁｬｯ


「場地君こそ男なんだからうちわで十分でしょー！」


ｶﾁｬｯ……ｶﾁｬｯ……ｶﾁｬｯ


扇風機大戦争とは、ひとつの扇風機を取り合うという小さな小さな抗争のことである

しかしどちらも本気で取り合うことから1番に負けるのは毎回扇風機の方だった。



「場地さんもAもそんな強引に動かしてたら壊れますよ！！」


現に扇風機から鳴ってはいけない音が出ている。


「だって場地君が！」

「あぁ！？お前だろ！」



「2人で使えば良いでしょうがｯ」




首振りが出来ないなら風が届くとこに2人が並んで二人で風を受ければ良いと千冬は言った




「千冬頭良いかよ。」


「流石、我が弟よ」



「いや、暑さで頭やられたんスか」



ちょっとその言葉は傷ついたかなぁ！？？

そう思っていたが、よく千冬を見れば死ぬほど汗が出ていた


いや私らだけ暑いわけじゃないもんな……千冬だって暑いはず……



「場地君」


「おう。」



場地君も同じことを思っていたのか千冬の横に千冬を挟むように座った



「イヤ、なんスか暑いんデスけど」



本当に暑そうな顔をする千冬

いや、暑苦しそうな顔かな？



それでも私と場地君はニヤニヤしながら千冬にくっつきながら言った


「千冬くぅん？ごめんね？千冬も暑かったよね？？」


「は？」


「そうだよなぁ、千冬ぅ。俺ら2人で扇風機独占して悪かったな？？」


「いや、あの。」





「「仲良く扇風機も半分こな！」」

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