＿＿君を忘れたくない【場地圭介】

20話 ページ21

「場地君ーそろそろ学校行くよー」


「……まだ手羽先が肩に乗ってる」


「いや下ろせや。」


どんだけ手羽先気に入ってんのさ。

乗っている肩に指を添えると簡単に乗ってきてくれる手羽先

場地君やめて、そんな大好きなおもちゃ取られた子供みたいな顔しないで、良心が傷つく！！


「ほーら手羽先居なくなって寂しくなっちゃった場地君へのプレゼントや」


「なんだこれ」


場地君に渡したのは小さな青色の小鳥のキーホルダー

そのフォルムが手羽先に似ていて買っちゃった物だ
２つ買っちゃって、1つは自分のケータイにくっつけてるけどもうひとつが余っていたんだ



「んふふ、おそろい！」


「お前は……」


顔を抑えながらこっちを睨んでくる場地君、そんな顔しても赤くなってる耳が何もかもを教えてくれているんだよ。


結局受け取ってくれてすぐにケータイに付け始めた


いや嬉しかったんかい。可愛いなおい。



「あ、場地さん！A！」


千冬、変わったよね？変わったよね！？
前回私の名前言うのにめっちゃ間があったのに！！



「千冬朝から可愛いやつめ。」


「何言ってんだ朝から。」


ちょっと寝癖ついてるの可愛い……



「千冬、ちょっと屈んで」


「なんだよ……ん。」



文句言いつつ屈んでくれた千冬

癖になっている箇所を馴染ませながら撫でてあげる



「なｯ！何してんだ！」


「ちょっと暴れないで！寝癖直してんの！」


そう言えば大人しくなった千冬

案外言うことの聞く髪質だったから手櫛で直せた、女子みたいな髪質だな
やわらか。


「……いつまで触ってんだ、」


「あぁごめん、つい柔らかくて触り心地いいから」



そんなこと言うと小声で俺今日からボディーソープで髪洗おうかなとか言ってたので全力で止めてあげた



ｸﾞｲ


「……ん、」


「え？」



突然そで掴まれたと思ったら……どしたの場地君そんなムッとした顔しちゃって

さっきまで括ってたゴムを手に持ってボサボサにした髪の毛を見せてきた



「ﾌﾞﾌｯ、撫でて欲しいなら言えばいいのに笑」


「違ぇし……髪乱れたから直してくれって言ってんだよ」


乱れたじゃなくて乱したの間違いじゃね？

そうは言っても行動が最高に可愛かったからなでこなでこしてあげた

場地君の髪の毛は柔らかいと言うよりすごくサラサラだ、硬いわけでも柔らかい訳でもないけど指通りも良いしツヤツヤの綺麗な髪の毛

女子が羨むような髪質……しかも



「場地君めっちゃいい匂いする……」


「匂うな！」


いや難しいて。漂うんだから。

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