まぁまぁ、原作崩壊も程々に Ⅲ (ページ10)

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メリー号ページ10

「寝てなくて平気なの？」

この前まで体の弱いお嬢様の姿しか見ていなかったから、心配になったナミ

「えぇ、この1年の私の病気は両親を失った精神的な気持ちが原因だったので……ウソップさんにもずいぶん、Aにも励まされたし、甘えてばかりいられません

それより皆さん……船、必要なんですよね！」

パァっと明るい顔をしてそういうカヤ、その言い方はまるで船をくれるかのようだった

「え、くれるの！？」

「んふふ、それは海岸に来てのお楽しみ！」

私についてきてくださいと店を出るカヤ

私達も追うためすぐにお勘定をして後を追う

「もうこの村ともお別れかぁ」

「いい村だったわね。つい最近この村の未来がかかった戦いがあったなんて知らないみたい」

きっとそれはウソップがこの村に知らせるなと言ったんだろう……
侵入前に止めたのだからわざわざ村の人達に知らせる必要は無い

海賊が攻めてきた事実を嘘にしたんだ。ウソップらしくてかっこいいな。

林を抜け、潮の香りがしてくると見えてきたそれ、

「へぇ、」

「キャラヴェル！！」

「可愛い船だな！」

羊の頭が可愛く着いた船首に、決して大きくはないが今の私たちの人数なら十分なこの船

船の前に1人の執事が立っていた

「お待ちしてましたよ、少々古い型ですがこれは私がデザインしました船で、カーヴェル造り三角帆使用の船尾中央舵方式キャラヴェル"ゴーイングメリー号"でございます！」

結構そのままの名前だったのか……笑

「あなた方ですか、ウソップ君と共にクロネコ海賊団を追い払ってくれたのは

私はもっと大柄な人達なのかと……」

「あはは……でも、これ本当に貰ってもいいの？」

「えぇ、ぜひ使って？」

カヤが言ってくれたんだ、本当に優しい子だな

執事が、船の説明を私にしようとしてきた

「ま、待って、船の説明……ナミ受けてくれない？？」

「え、なんで私が！？アンタでもいいじゃない」

「私、こういう手のものは説明を受けても分からないんだ……」

操作の仕方は教えてもらうよりかは体で覚える派だし、なんなら私が操作すればこの船が跡形もなく消え去る可能性がある……

「航海に要りそうなものは全て積んであるわ、」

「ほんとに、何から何までありがとう、カヤ」

釜戸もあるわと言ってくれたカヤにはもう感謝してもしきれない……

ありがとうと頭を下げようとしたとき、カヤに止められた

「ありがとうだなんて私のセリフよ、」