私の番犬達__ 2

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奨「めっちゃ寝ちゃった、片付けてくれてたよね」






ありがとうねA

そう言って、廊下から微笑む奨の姿がもう乙女ゲームに出てきそうな勢いの完璧なイケメン。






でもまだ寝起きだからなのか 目が完全に開いてなくてへにゃへにゃとしている









『気にしないで、皆まだ寝てる？』





奨「皆起き上がってはいるけどどっか見てる」







あるよね。起き上がって何分かぼーってする時間


わりとあの時間ほんとに何も考えてないんだよね。









そっかっと笑って返せば洗面所に向かった奨









風に揺れる洗濯物を見ながらふと思った。







.








.








『恋とか....してみたいな、』








無意識に出た言葉に合わせて









" Aは黙って俺の後ろついてきとったらええねん "







汐恩の顔と 汐恩がいつも私に言う言葉が


私の頭をかすめて






胸がきゅうと小さな音を立てて苦しくなる









『いやいや、ないない』





口悪くて平気でケーキのいちご横取りしてくる人だよ？



取られて拗ねてる私を見ても面白がって笑ってる人だよ？









昨日の夜、皆とは違う感情を感じたのが勘違いだよねと自分に言い聞かせる。









でもいつか、私にも









身を焦がす程好きな人と出逢えるのだろうか___。









まあその前にきっと奨達に阻止されるんだけどね。








はあ、と呆れたため息を漏らしたけど


それも今は嫌だと思わない。







私にとって、今皆といるこの時より楽しくて





幸せな時はないから___。

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