情報屋と雨宮雅貴 ページ11
｢どーも、あれ、今日はひとりなんだ？｣
傘を折り畳んで、薄暗い鉄製所に入る
視線の先に、久しぶりに見る雅貴がひらりと手を挙げた
｢どーも、……悪いね、いきなり呼び出して｣
｢驚いたよ、で、何のようかな？｣
近くにあった機械にもたれ掛かると、雅貴は、いつものおちゃらけた雰囲気を消した
｢…………星堂海斗って、しってる？｣
Aは軽く首を傾げる
｢……さぁ、どうでしょうね｣
｢そういえば兄貴から聞いたことあったんだよね。……Aちゃん｣
｢いい加減、要件をはっきりいってほしいなぁ。私も忙しくてさ｣
｢九龍の情報を集めるので？｣
｢さぁ、どうか────｣
ガァンッ！！
大きな音が鉄製所に響き渡る。
雅貴が、Aのもたれた機械を力一杯に蹴りつけたのだ
見下げる雅貴に、見上げるA。
一瞬の静寂が場を支配した。
もし広斗がいたならば、確実に起こらないであろう出来事だった
｢手荒な真似はするつもりねぇよ？ただ……
あんまり馬鹿にすんなよ｣
いつになく真剣味を帯びた威圧的な雅貴の声だったが、Aはへらりと笑みを浮かべた
｢こちらも仕事なものでね。……で、知りたい内容は？｣
Aがそう言うと、雅貴は深い溜息を吐いたあと、どこから持ってきたのかはわからないが、古い椅子に腰掛けた
｢んー……やっぱ脅しじゃ効かないか。
ま、いいや。はい、座って、Aちゃん｣
自分の側の椅子を指す雅貴は、すっかりいつもの雰囲気を取り戻していた
｢……本当に何？｣
Aが椅子にかけたのを見て、雅貴が困ったような笑を浮かべる
｢お願いって言うか、相談って言うか。
……兄貴、探すのてつだってくんねーかな｣
｢兄貴、雨宮武尊さん。……か｣
正直、今すぐにでも断りたかった。
｢今日ってほら、……俺らの両親の命日じゃん｣
｢ですね｣
｢兄貴が来るかもって思ってたんだけど、ちょっとしたことに巻き込まれちゃってさ。
……兄貴と同居してたってコにも会って、兄貴ん家に行ったんだわ｣
同居人……成瀬愛華の事だろうか
｢でも、兄貴、もう居なくてさ。…………壁に、こんなのが大量に貼り付けられてた。
兄貴はンなことするほど、マメな性格じゃなかったんだけど……｣
差し出されたのは、雑誌の切り抜きだった。
そう言えば、武尊の家にあったような気がする。
Aはその切り抜きを見て、小さく息を吐いた
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ゆかり(プロフ) - すごく面白かったです！あとヤマト落ちのやつも描いて欲しいです！ (2018年7月22日 18時) (
レス) id: 6d67b75ad8 (このIDを非表示/違反報告)
玄ちゃん - 雨宮兄弟の兄の名前は尊龍ですよ。 (2017年11月12日 10時) (レス) id: f00d27de65 (このIDを非表示/違反報告)
橙色唇王子の虜(プロフ) - この作品とても好きです！更新頑張ってください！ (2017年11月7日 17時) (レス) id: 46cd618f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 x他1人 | 作成日時：2017年11月7日 0時
