30：知る人 ページ31
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「美亜に、手紙の内容を相談されて…」
＿なるほど、二人で読み、二人で手紙の内容を考えていたのか。文通相手からの手紙の内容が、一部堅苦しくなっていたことにも合点がいく。
俺の好きな物も手紙を読んで知っていたから、俺の表情がどうとかって話は恐らくその場の思いつきだろう。現に今も…いや今に限らず、彼女は俺の顔なんてほとんど見ていない。藍色の目はいつだって伏せがちだ。
「ごめんなさい…美亜と轟くんの文通なのに」
「咎めるつもりは
咎めるどころか、そもそも同じ学校とはいえ赤の他人に自分のことを書き出したのは俺の方だから、自業自得というべきか。
尻すぼみに「そうなんだ」と返す天野は肩身が狭そうだ。この様子じゃ言いふらしていそうもない。
すると天野が勢いよく顔を上げた。
「手紙の内容、絶対他の子に言いふらしたりしないから!!口は堅い方です!!」
「…それ、言った方が信用出来ねえやつだぞ」
「あっ…確かに…」
「まあそうしてくれると助かる。クラスのやつらにもほとんど話してねえこともあるから」
家の事情なんかは顕著な例。その話をして、クラスメイトたちに変に気を遣ったり、遣われたりすることは避けたい。
でも、自分の好き嫌いを他人に明確に伝えたことなんて初めてだ。何回も続いたやり取りの中では家族にすら言ってないことも書いた覚えがある。
…聞かれたからとはいえ洗いざらい書きすぎたか？それを面識も無かった相手に知られているなんて…
「…なんか恥じィな」
──本来なら彼女は関わりの無かった他クラスの生徒。だが実際は、その藍色の瞳に俺を写すと情報が溢れている。
さっきまでずっと見下ろせた彼女を見ていると、どうしようもなく羞恥心が募ってきて雨打つ窓辺に視線を逸らした。
すると視界の端で、天野は眉を寄せてどこかの名探偵みたいに手で顎を支える。
「恥ずかしがるようなこと書いてたっけ？」
「思い出そうとしなくていい」
「……あ、ちょ、ちょっと待ってて！」
何か閃いたのか、膝上のスカートを翻した天野は数分後に若干息を切らして戻って来た。そういえば、体力が無かったっけ。
そしてその片腕で抱えていたファイルから取り出したのは、淡い黄色の封筒だ。
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つぎはぎウルフ(プロフ) - あかねさん» こちらにもコメントしてくださりありがとうございます。楽しみにしていただけてとても嬉しいです。あかねさんも体にお気をつけて、陰ながら創作活動を応援しております。こちらの小説も更新頑張ります！ (2020年7月16日 17時) (
レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - つぎはぎウルフさんの作品はどれも続きが気になるものばかりで、常に続きを楽しみにしながら読んでいます。これからも更新楽しみにしながら待ってます！体に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください！ (2020年7月16日 7時) (レス) id: e8088c70b5 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - きなこもちさん» ありがとうございます。私も楽しみながら書いているものを楽しく呼んでもらえて嬉しいです。コメント読んでいて思わず顔がにやけちゃいました…(笑) 気に入ってもらえて何よりです(o^^o) 更新頑張ります。 (2020年7月14日 18時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 更新お疲れ様です！いつも楽しく読ませていただいてます。今までそこそこの量のヒロアカ二次創作を読んできましたが、この作品が一番好きかもしれません...！これからの展開がとっても楽しみです(´∀｀)応援しています！！！ (2020年7月13日 20時) (レス) id: 6f695c5604 (このIDを非表示/違反報告)
つぎはぎウルフ(プロフ) - ゆり。さん» ありがとうございます！ヒーロー科×他科の生徒、ということで、接点が少ない分表現が一辺倒になっていないか心配だったのですが、そう言ってもらえて自信がつきました。もうしばらく続きますので、今後も応援よろしくお願いします…！ (2020年7月10日 16時) (レス) id: 845ea04d4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぎはぎウルフ
| 作成日時：2020年6月19日 20時
