ページ ページ30
彼女である瑠香と喧嘩をしてしまった。
原因は全て俺だ。瑠香が命よりも大事、と言っていたものを壊してしまったのだから。
今までも喧嘩はあったけど、それとは比べ物にならないくらい瑠香が怒っている。
当たり前か。
瑠香に言われた、
「莉犬くんはいつもそう。簡単に謝ってばっかり。謝るだけで、どうにかなるとでも思ってるの?」
が胸に張り付いて離れない。
昔からそうだった。家の中で謝ることしか出来ない俺は、いつしか謝ることだけが取り柄のしょうもない人間になってしまったのだ。
でも、朝になればきっと瑠香も出てくるだろう。だって、瑠香は俺の事大好きだし、俺は瑠香のこと愛してるから。
そう思ってソファで眠りについたのが間違いだった。
朝起きると、相変わらず瑠香はいなかった。机の上には1枚の便箋。嫌な予感がする。
恐る恐る紙を開くと案の定瑠香からだった。
瑠香です。今まで、ありがとう。こんな私と付き合ってくれて。
莉犬くんと過ごしていると嫌なことなんて全部忘れちゃうくらい楽しくて幸せで。人生の中で1番充実していました。
莉犬くんは、私にとっての理想でした。いつでも優しくて、いつでも可愛くて、かっこよくて。
私のことを一番に考えてくれたし。
でも、そんな莉犬くんだからこそ、私たちは別れた方ごいいと思うんです。
いつも私はわがままで、私だけが幸せだったのかも。
莉犬くんには、もっともっと可愛くて優しくていい女の子がいるはずです!
こんなわがまま女なんて、忘れてください。
最後まで、ごめんね。これで最後のわがままだから。許してね。
大好きだったよ。
あれ、文字がよく見えない。そう思っていると手に水滴が垂れた。俺、泣いてるんだ。
いつだって笑顔でいるって決めてから泣いたことなんてなかったのに。
嗚咽が漏れ出してきて、俺の声だけが部屋に響く。
「瑠香っ…嫌だよ、俺っ…」
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ。
瑠香だって1回くらいなら俺のわがまま、聞いてくれるよね。
俺はスマホだけを手に、外へと駆け出した。
「瑠香っ瑠香っどこにいるの…」
広い広い東京をひとりで彷徨う俺は、孤独だ。
コンビニにも、駅にもいない。
もしかしてっ…
39人がお気に入り
「すとぷり」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜紀(プロフ) - きゅん… (5月15日 21時) (レス) id: 5c183bf116 (このIDを非表示/違反報告)
さめち@りっちゃんらぶ(プロフ) - りちゅき@さめちゃんらぶさん» しっかり見てるぞ…ついさっきうるっときてたところだった… (5月11日 19時) (レス) id: 03781501d5 (このIDを非表示/違反報告)
さめち@りっちゃんらぶ(プロフ) - まって、めっちゃ心に染みる…これだからさすがびっぐらぶは…(?) (5月11日 19時) (レス) @page40 id: 03781501d5 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - ごめんなさい!りっちゃんも忙しいよね。断って下さい🙇 (5月10日 22時) (レス) id: 5c183bf116 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃ - はんのーいいねー!!心ぎゅんぎゅんだよ!!! (5月10日 17時) (レス) id: 2672702b1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1 作成日時:2023年4月2日 14時