【続】非リアが作るいちゃいちゃ集【STPR】

#香水【桃】 ページ21

「ただいま」




日付けを超える直前。





ようやく私の彼氏が帰ってきた。












「おかえり…」






遅くなったことに少し不満を抱いているので、明るく言えない私。








「まだ起きてたの？ごめんね、遅くなって」






小さい子をあやす様に私を後ろから抱きしめて囁く。














あぁ、また香る香水の匂い。










安物の香水。今日は随分と爽やかな香りだ。






1週間前はフルーティーのような香り、2週間前は石鹸の香り。

タバコの匂いがしたこともあった。



毎週、毎週、コロコロと変わるさとみの匂い。



















あいにく、私は香水もタバコもしたことが無い。



















全部、全部知ってる。












もう、私に冷めてることも。浮気してることも。浮気相手が毎回のように変わること。












帰るのが遅い時。いつも何かしらの香りがする。











「ずっと離さないよ。」




「…うん。」















証拠だって、掴んでる。知ってるよ？
















でも、私は気付かないふりをする。












貴方のことが、好きだから。






絶対に離されたくないから。












貴方はきっと浮気がバレたら、私のことを手放す。















だから、言わない。








あなたの心がここになくても、「愛してる」が嘘でも。







それでも、私はあなたのこと離さないから。
















「大好き、だよ？」



「ん、俺も。」












小さな嘘が、2人を包み込む。

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