5話 ページ6
「私、元々あっちの世界にいたんだけど、人間界に住んでる友人の妖精、Hobbit(ホビット)が、人間界は面白いから遊びに来い。なんて言うから、遊びにきたのだけど」
Hobbit(ホビット) :
農耕を好み、平和と食事を愛している。大抵は太っている。
「え、ホビット？！」
「あら、知ってるの？」
「あ、いや知らんけど」
トントンは友人のあだ名がホビットであった事を思い出し、過剰に反応してしまった。
そうとは知らないルサールカはかまわず話を続ける。
「呼んでくれたホビットは農耕にいるはずなんだけど、その農耕がどこにあるのかわからなくて困っていたら、私が見えちゃう貴方が居たってわけね」
「なるほどな。でも、俺今まで妖精なんか見えたことないのに。
なんで見えるんやろ？」
「あら、そうなの。んー、わからないけど、なんか今日は特別なお祭りらしいじゃない。それのせいかもね」
「お祭りやないけどな。まぁ、ハロウィンやし、一理あるな」
ルサールカという異界の者と平然と話しているトントン。
まるで普通のことのように振舞っているが、トントンは今まで一度も妖精の類を見たことがない。
なぜこんなにも冷静に会話することができているのか、トントン自身もよくわかっていない。
「ところで、ルサールカはあっちの世界から来た言うたけど、どうやって来たん？」
「森の泉よ。今日だけ、あの泉は妖精の世界と人間の世界を繋げるゲートになるの。なんなら貴方も私の世界へ行けるわよ。
行ってみる？」
「いや、遠慮しとくわ」
「つまらないわね」
「なにが起きるかわからんのに行くわけないやろ」
どうやらルサールカは冗談と楽しいことが好きらしい。
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作者名：煽田 -アオタ- x他1人 | 作成日時：2020年10月26日 23時
