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露伴先生に抱きしめられた時、心臓が怖いくらいに早かった。それは、吉良さんに抱きしめられた時に感じたものと同じ_間違いなく、同じ気持ちだった。


私、やっぱり露伴先生のことも……どうして……?なんで、なんで私……ふたりに……?こんなのって、おかしいよ……。


認めたくはなかったが、自分の気持ちに嘘はつけない。途方にくれていた時、露伴先生の言葉が耳に入り、昨夜の吉良さんの行動が、またもや気になりだした。私の問いかけに、彼は真面目な顔で聞き返す。


「どうして、そんなことを聞くんだい?」

「小説で読んだんですけど、男性と女子が出逢って、段々と親しい間柄になっていくんです。ある日、いつものように話をしていたら、彼が彼女の頰にキスをして__それで、どうして彼は、そんなことをしたのかなぁって思って」

「それ、なんていうタイトルの本だ?」

「そ、それは……すみません。本屋で少し立ち読みをした程度だったので、覚えてないです」


探るような視線に、いたたまれなくなって下を向くと、彼のトーンが低くなった。


「なァ……それってもしかして、君自身の話か?」

「ち、違います!」


吉良さんにキスされたことは、誰にも知られたくない。特に露伴先生には……。


緑色の瞳は相変わらず綺麗だったけれど、何もかもを見透かしたように、その端正な顔はムスッと歪んだ。


「少し待っててくれ。スノウに餌をやる」

「あ、はい……」


急によそよそしくなり私から離れると、彼はダンボール箱に手を伸ばした。露伴先生は、私が虫嫌いなのを知っている。近づけないとわかっているから、いつもは私がいない時に餌やりをしていた。なのに今、私を避けるように餌をあげようとしていた。


嘘ついたことを、露伴先生はきっと見抜いてるんだわ。嘘つきの私に怒っているんだ……。

私は吉良さんが好きで、女医さんに嫉妬して、結果あの人から彼女を引き離そうとした。そんなことをしても私のことを好きになるはずがないって、わかっていたのに。そのくらい、吉良さんのことが好きだって自覚したはずなのに……!

どうして今は……こんなにも、露伴先生のことが気になるの……。

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設定タグ:岸辺露伴 , 吉良吉影 , ジョジョの奇妙な冒険   
作品ジャンル:恋愛
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パエリヤさん(プロフ) - やばいです!綺麗な文章で素敵です!ありがとうございます! (2022年1月31日 19時) (レス) id: a088706bb8 (このIDを非表示/違反報告)
よっちー - サイコーです!続きを楽しみにしてます! (2021年7月13日 14時) (レス) id: eac1b7e0ad (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 更新多くて嬉しいです! (2021年7月11日 18時) (レス) id: 73f14cc594 (このIDを非表示/違反報告)
桜鯛(プロフ) - 凄く面白くて一気に2まで駆け抜けました。もっと早く知りたかった作品です…!今は友希を募集していないようなので、また再開したら必ずすっ飛んで行きます!お気に入り失礼します。 (2021年4月2日 1時) (レス) id: d34a88a9f2 (このIDを非表示/違反報告)
すみね(プロフ) - 本当に大好きな作品です。ありがとうございます。 (2020年7月26日 1時) (レス) id: 8a8e69e87d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年3月16日 20時

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