ジョセフ・ジョースターと空条承太郎 ページ22
「この男を運べばいいんだな」
「はい。よろしくお願いします」
承太郎が倒れていた男を肩に担ぎ、少女はわしの元に来て屈み込む。
「大丈夫ですか？私の肩に掴まって下さい」
赤ん坊を抱いたまま、細っこい肩を差し出してくる。
うう〜ん、気持ちは嬉しいが、掴まったら一緒に倒れこみそうじゃのォ。
「ジジイは気にしなくていい。案内してくれ」
「でも、おじいさんをこのままにしていくわけには」
「そうじゃ、年寄りは大切にせんといかんぞ」
ギン__と承太郎に睨まれ、慌てて首を振った。
「と思ったが、わしなら大丈夫じゃ。先に行きなさい」
少女はわしのことを気にしつつも、承太郎を案内するために歩き出した。
「やれやれ、仕方ない。承太郎は怒らせると、後が怖いからのォ」
隠者の紫を近くの電柱に絡ませて、なんとか立ち上がると、ふたりの後を追いかけた。
アパートに到着すると、承太郎はすぐさま男をベッドに横たえた。その襟元から、焼けただれた素肌が覗く。
「火傷がひどいな」
「火傷の薬はないので、買ってきます！」
「いや、その必要はない。ここの住所は？」
番地を聞くと、少女に氷を持ってくるように指示し、携帯をかけ始める。
「おい、ジジイ」
「わかっておる」
戻ってきた少女から氷を受け取り、服の上から男に当てた。
「心配はいらんよ。今、知り合いに薬を頼んでいるからの。ところでお嬢さん、アンタの名前は？」
「あ、申し遅れました。Aと言います」
「Aさんか。顔に似合って可愛いらしい名前じゃのォ。わしの名は、ジョセフ・ジョースターじゃ。電話をしとるのが孫の空条承太郎。ところで、この病人はアンタの彼氏かな？」
「えっ!?」
驚いた顔をすると、顔を赤くしながら目を白黒させたので、首を傾げる。
「ん？違うのか？」
「……い、いえ！……そ、そうです、か、か、彼氏です」
「もしかして、付き合い始めかな？」
「……は、はい。そ、そうなんです」
真っ赤な顔をして、初々しいのォ〜。
「そうか。アンタみたいな可愛いお嬢さんが彼女で、この男は果報者じゃな」
「そんな！滅相もございません!!」
「プッ」
彼女の反応が面白くて、思わず吹き出す。
なんだか反応がいちいち新鮮で、面白い子じゃのォ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 828人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パエリヤさん(プロフ) - やばいです！綺麗な文章で素敵です！ありがとうございます！ (2022年1月31日 19時) (
レス) id: a088706bb8 (このIDを非表示/違反報告)
よっちー - サイコーです！続きを楽しみにしてます！ (2021年7月13日 14時) (レス) id: eac1b7e0ad (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 更新多くて嬉しいです！ (2021年7月11日 18時) (レス) id: 73f14cc594 (このIDを非表示/違反報告)
桜鯛(プロフ) - 凄く面白くて一気に2まで駆け抜けました。もっと早く知りたかった作品です…！今は友希を募集していないようなので、また再開したら必ずすっ飛んで行きます！お気に入り失礼します。 (2021年4月2日 1時) (レス) id: d34a88a9f2 (このIDを非表示/違反報告)
すみね(プロフ) - 本当に大好きな作品です。ありがとうございます。 (2020年7月26日 1時) (レス) id: 8a8e69e87d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光
| 作成日時：2017年3月16日 20時
