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どうしよう……吉良さん、怒ってたみたい。電話、切られちゃった……。
涙を拭いて受話器を置くと、露伴先生が歩いて来た。
「露伴先生！頭の怪我、大丈夫ですか⁉」
「ああ、大したことないさ」
「良かった……私のせいで、本当にごめんなさい！」
「いや、悪いのは僕だ」
優しい手が、涙の跡にそっと触れて来る。
「目が少し赤いな。君を泣かせてしまったようで、すまなかった」
「いえ！私の方こそ、虫くらいで大げさに声を上げてしまって」
「虫？……もしかして、あんなに嫌がっていたのは、それが原因か？」
「はい。私、虫がすごく苦手なんですけど、天井から蜘蛛がぶら下がっているのが見えて、それが糸を伝って降りて来ようとしたんで、つい〜」
「……それだけ__か？」
「ええ、いたのは蜘蛛だけでした。でも結構、大きかったですよ！」
思い出すのも嫌だったが、虫の大きさをわかってもらうために指で示すと、彼が首を振った。
「いや、そのことじゃあなくて、僕が言ったことに対しては？」
「え……なんか言いましたっけ？」
「言ったよ！言ったさ！君、もしかして聞いてなかったのか？」
「す、すみません！蜘蛛でいっぱい、いっぱいだったので〜」
「おいおいおいおいおいおい〜！」
手で顔を覆って大仰にため息を吐く。ヘアバンドがなく、いつもは横に流している前髪が、お風呂上がりのせいでしっとりと濡れて下ろされていた。申し訳なく思いながらも、いつもと雰囲気が違って見える彼に興味が湧き、ジッと見つめていると指の隙間から覗く目が、スッと細められた。
「おい、なんだよ。何、見てんだよ」
「いえ、露伴先生、かっこいいなぁって」
「は？な、なんだよ、急に！」
パッと手を離した彼の顔が、思春期の少年のように見る見る赤くなり、そっぽを向きながら問いかけてくる。
「僕のどこが、かっこいいんだよ？」
「いつもと違う髪型が」
「なんだ……髪型かよ」
私の方を向いた顔が、今度は拗ねたような表情に変わった。
露伴先生、なんか可愛い……。
「あと、可愛いです」
「ハァ？」
「照れたり拗ねたり、少年みたいで！」
「君ィ〜、ひょっとして僕をからかっているのかァ？」
「……？いいえ」
「天然かよ……いいか、僕以外の男の前では、そういうことを言うんじゃあないぞ」
「何でですか？」
「決まっているだろうッ」
壁にダンッと両手をついた彼の腕が、私を閉じ込めた。
「僕が嫌だからだ！」
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m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
