・・・�� ページ46
「ハアァァ〜、どうするかなァ」
湯船の中でAの反応を繰り返し思い出しては、今後の対応に頭を悩ませていた。
あそこまで嫌がられるとは……最悪だ。会わせる顔がない……。
やはり、いっそのことヘブンズドアーであの時の記憶だけ消すか？彼女に対してだけは使いたくなかったが、さっきの一件で確実に僕の印象は悪くなってしまった。
……だが、ここで使ってしまえば後々、僕にとって都合の悪いことが起こるたびに、使ってしまいそうな気がするなァ。
もともと彼女の気持ちを尊重して決めたことなのに、これって男としてどうなんだよ？
「ああ〜ッ、何故この岸辺露伴が、こんなにウジウジと悩まなくちゃあならないんだッ」
ガラッ__
風呂の中で葛藤していると、腰にタオルを巻いたジィさんが入って来た。
「ご一緒しても良いかな？」
良いかなって、すでに入ってきてるじゃあないか……。
「どうぞ。僕はもう出ますから」
「待たんか！」
かけ湯をするとジィさんは、ザブンと湯船に入ってきて頭を下げた。
「孫の仕事相手とは知らずに、殴ってしまってすまんかった！」
「じゃあ、あなたは泉くんの」
「うむ。孫に頼まれておったのに勘違いしてしまってのォ。あのお嬢さんも、ずっと大泣きしていたし」
ズキッ__
泣いていたことを新たに聞かされると、本当に心苦しくなった。
やはり僕はスタンドなんか使わずに、誠心誠意、Aに謝るべきだ……。
「お嬢さんは、アンタのことを本当に大事に思っておるんじゃな」
「え？」
「気絶しとる間、気が気じゃないという風に、ずっと心配で涙が止まらんようじゃったぞ。バァさんが無理に風呂に連れてったが」
「泣いていたのは僕のことが心配で？」
「ん？もしかして、孫に何か吹き込まれたか？あの子はいたずらっ子でのォ、まんまと騙されたな」
あの小僧、僕をたばかったのか！ハァ……けど、そんな簡単に騙された僕も、どうかしているぜ。やっぱり僕は、心底、Aのことを好きになっちまったんだなァ……こんな単純なことで、一喜一憂できるんだから……。
「上がるのか？」
「ええ。早く彼女の顔が見たいんです」
立ち上がった僕を見て、ジイさんは意味ありげにニィ〜っと笑う。
「アンタの作品がどれほど素晴らしいか、孫に聞かされたことがある。立派な才能を持ってるんじゃなァ……ウム、下半身の方も確かに立派じゃ。ワシも若返りたいのォ〜」
どこ見てんだよ……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
m0902(プロフ) - 了解しました ！ありがとうございます！楽しみにしときます！ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - また気が向いたら友達になって下さい (2021年2月10日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
m0902(プロフ) - 初コメです！すごく好きです !!続きも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年2月8日 10時) (レス) id: cbe2135a28 (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - 初コメ失礼致します…！！世界観や言い回しがすごく好きです！！一気読みしてしまうのも頷けます…！！これからも応援してます！！どうかお身体にはお気をつけてお過ごしください…！それと条件大丈夫です！！続きがすごく気になるのでまってます…！ (2021年1月5日 19時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
もとか - まってます、、、 (2020年8月17日 23時) (レス) id: 4ade42e6d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光
| 作成日時：2016年10月27日 19時
